9級10号:高次脳機能障害(20代女性・大阪府)

【事案】
交差点で、自転車で青信号で進行中に信号無視の自転車に側面から衝突されたもの。
【問題点】
自転車同士の事故であり、自賠責に申請できる案件ではなかった。
相手方の個人賠償保険に請求、後遺障害の申請も個人賠償に対する申請となる案件。
意識障害、画像所見共に所見が乏しい状況であった。
【立証のポイント】
症状は主に、感情失禁と易怒性であった。記憶などは特に問題を感じておられなかった。
画像を分析したところ、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、頭蓋骨骨折が確認できた。
しかしながら、くも膜下出血は微小で、びまん性の損傷も確認できなかった。
まず、意識障害について、ご家族と共に救急の医師と医師面談を行い、少なくとも外傷後の健忘については正確なところをご記載いただきたいと要請。了承され、意識障害についての所見は追記される。
受傷後8カ月が経過したころに、高次脳機能障害の立証に長けた病院をご紹介し、神経心理学検査を実施していく。
神経心理学検査では、注意機能の低下が判明する。
画像所見の補強のため、T2スターの検査を医師に依頼し、その検査によって微細ながらも右前頭葉に出血痕が確認できた。
後遺障害の結果は、9級10号が認定される。
高次脳機能障害としての認定はやや難しいかな・・・と苦心していたが、何とか立証が実を結ぶ形となった。
本件では、神経心理学検査によって、注意障害のみが低下していたことが一つポイントになったと思われる。
高次脳機能障害とは、注意機能の低下・障害が土台としてあって、そしてそれに付随して記憶障害、遂行機能障害などが現れる。
つまり、注意障害なくして遂行機能障害、記憶障害は通常考えられないのである。
記憶の低下・障害のみの検査結果だと、見る人間が見れば不自然な検査結果なのである。
本件では、障害の程度は少ないながらも、注意機能が低下していたことが一定の評価に繋がったものと考えられる。
(平成29年9月)

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