後遺障害の立証は早期の対応が不可欠【肩腱板損傷の場合】

交通事故による後遺障害の立証は、できる限り早期に対応していくことが大切です。
なぜなら、交通事故の場合、その怪我について事故との因果関係が問題化されるからです。
当然、時間が経てば経つほどその関係性には疑義が持たれ、立証は手遅れとなってしまいます。

病院へ通院しているからといって安心できません。治療と自賠責保険に後遺障害として認定してもらうことは明確に別のことです。
漫然と治療が続けられ、その結果しっかりとした証拠集めがなされないままに長時間が経過してしまったために、自賠責に認めてもらうための証明が困難となり、実際に後遺症が残っているにもかかわらず、正当な賠償が受けられない被害者が数多く存在しています。

私たちは、交通事故の無料相談などを通じて、こういった被害者様を少しでも減らしたいと活動しています。今回は、『肩腱板損傷』というお怪我のケースを取り上げ、早期の対応が不可欠であるということをご説明させていただきます。

肩腱板損傷の場合

・Aさんは自転車で走行中に自動車と接触し、転倒。右肩にお怪我を負われました。
その後病院の診断では、レントゲンで骨折や脱臼は確認されず、『右肩打撲』との診断名がつきました。
その後、ずっと病院でリハビリを続けていたAさん。
事故から半年が経過しても右腕の挙上時に痛みがあり、右肩関節の可動域も外転が120°くらいしか痛みで挙がらないため、保険会社からの勧めもあって後遺障害の申請を行うことにしました。

・いろいろな法律事務所のホームページなどで後遺障害について調べていたAさん。
可動域で120°の場合、12級6号に該当する、と書かれていたこともあり、おそらく12級がにんていされるんだろうな、と考えていました。
ところが、後遺障害の申請から二か月後に自賠責から通知された結果は『非該当』。つまり、本件交通事故による後遺障害は認められません、という回答でした。

・納得がいかず、その後すぐに当事務所の無料相談に来られたAさん。
自賠責への提出書類や画像などを検証させていただくと、右肩関節のMRIや関節造影が撮られていないことが発覚しました。
異議申立のためには、右肩関節の痛みの原因を明らかにしなければなりません。
そのために、右肩関節のMRI撮影を医師に依頼し、そのMRI画像を分析したところ、右肩の棘上筋という場所に損傷が発見されました。
少なくとも、現在まで続いている右肩関節の痛みについては原因が特定できましたが、しかしすでに事故から八カ月以上経過しているため、この棘上筋の損傷が事故を契機として負った損傷であるのかどうかについては、カルテ等を検証しても突きとめることができませんでした。

・しかしながら、今得られている医学的証拠で異議申立を行う以外に方法はなく、このMRI画像とその所見についての医師の診断書を添付して異議申立を行いました。
異議申立から三ヶ月後、自賠責から返ってきた結果は残念ながら『非該当』のままでした。
その理由は、『右肩棘上筋の損傷は認められるものの、事故から八カ月を経過した段階での所見であり、本件交通事故との因果関係を認めることは困難である』というのが回答の主な理由でした。

Aさんはどのように対応していればよかったのか?

右肩の打撲や捻挫であれば、通常一カ月も治療すれば大きな改善が得られます。にもかかわらず、症状の緩解がなかなか得られない場合は、右肩腱板損傷を疑うべきであったのです。
事故から早期に右肩関節のMRI撮影を実施、その結果異常がなければそれはそれで一安心ですし、痛みについてまた別の原因を探っていく契機ともなります。
しかしながら、右肩腱板損傷が判明したのであれば、すぐさま傷病名を『右肩打撲』から『右肩腱板損傷』へと切り替えなければなりません。
右肩打撲の傷病名では、いくら痛みを訴え、肩関節の可動域制限を訴えたとしても、その原因となる器質的損傷(腱板損傷や腱板断裂、上腕骨や鎖骨の変形癒合など)を立証しなければ、自賠責保険の後遺障害としては認定がなされないのです。

・結果論ではありますが、Aさんが事故からもっと早期に相談にお越しくださり、早期の立証を開始していれば、Aさんの後遺障害は認定された可能性が十分にあったと考えられます。
右肩関節の痛みと可動域制限だけが残り、後遺障害としての補償を受けることができず、まさにやられ損の結果に終わってしまいました。

交通事故のお怪我の相談はできる限り早期に!

上記の肩腱板損傷のケースのように、後遺障害の立証は早期であれば早期であるほどよく、時間が経過すればするほど打つ手がなくなります。正確な後遺障害についての見通しを立てるために、ぜひ事故から早期での相談をお勧めさせていただきます。
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