失認とは、一定の感覚路を通して対象の意味把握の後天的障害で、視力、視野、聴力、表在感覚、意識といった要素的障害では説明し得ない認知識別能力の障害を言います。
具体的には、触覚失認、聴覚失認、視覚失認、身体失認、病態失認の5つに分類できます。
つまり、失認とは今まで認識できていたことが認識できなくなることです。
失行、失認ともに、頭頂葉・後頭葉の損傷で好発します。

触覚失認・立体失認

触覚失認・立体失認では、自分の手で触れたものの手触りから、今までの記憶をたぐって「何であるか?」を目を閉じたまま当てることができません。
目隠しをして対象物を触らせた時、素材や形状を理解できても、そのものが何であるかを認識することができないのです。

視覚失認

視覚失認では、ある品物を見せて名称や使い方を説明させる検査が行われます。
この方法では答えられないのですが、その品物を手にとると名称や使い方の説明が可能なものが、視覚失認と診断されます。
言葉では「右手が?」と言って、左手を出したりすることや、またその逆もよくあります。
視覚性失認の人は、見ただけではりんごとみかんの区別がつかず、触ってみてはじめて区別ができることがあります。
半側空間無視に使用するテストチャートが、視覚失認にも使用できます。
色盲ではないのに提示した色の識別ができず、何色とも言えず、指定した色を塗ることができないものは、色彩失認といいます。

視覚についての認知障害では、目に見えているのに、色、物の形、物の用途が分からない、絵を見て全体のまとまりが分からない、よく知っている人の顔を見て誰なのかわからない、などの症状があります。
この場合、手で触れてみたり、音を聞くことによって認識できることがあります。
視力や視野は保たれているのに、物を見てもそれが何か分からなくなる症状で、その物の使い方も分かりません。見れども見えずの状態ですが、触ることができれば分かります。

相貌失認

相貌失認では、人の表情や顔の識別ができません。
顔の識別については、よく知っている人の顔が分からないのですが、その人の声を聞くと認識することができるという状況です。
また、怒ったり笑ったりとかの表情を見ても、それがどんな意味なのかが理解できません。

同時失認

個々のものについては理解・認識ができるにもかかわらず、全体の状況の把握ができなくなることを同時失認と言います。

まとめ

失認は、脳内の資格を保存する領域、言語を司る領域、聴覚を保存する領域等が損傷を受けたことを原因としています。
人間はこれらの領域が相互に連絡し合って物事を認識しています。
損傷を受けることによって、これらの相互連絡が遮断されることが失認であり、失認は高次脳機能障害の一つなのです。
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