整骨院・接骨院への通院について

交通事故と整骨院・接骨院

無料相談会や電話相談において、以下の質問を受けることが多々あります。
「勤務時間の関係で整形外科に通院することが難しいので整骨院に通っていますが、問題ありませんか?」
実際に、多くの被害者の方が整骨院に通っておられます。整形外科は午後7時ごろには閉まりますが、整骨院は夜遅くまで開いているところもありますので、少しでも症状を和らげるため、藁にもすがる思いで整骨院に通っておられるのだと思います。
これは非常に難しい問題です。立場が違えば答えが異なります。
ここでは、「お金」という観点から考えてみます。

傷害部分と整骨院・接骨院

まず、交通事故による損害は、傷害部分と後遺障害部分に分かれます。傷害部分は、自賠責では120万円の枠があります。この枠の内訳は、治療費、施術費、通院慰謝料、通院交通費、休業損害等です。
交通事故で負った傷害に対する治療、施術は基本的に自由診療となりますので、健康保険を使った場合と比べると高額になりがちです。毎日のように整骨院に通っておられる方の施術費用明細書を見てみると、施術費用が月額10万円近いものもあります。
整形外科の治療費、通院交通費、通院慰謝料、休業損害等まで考慮すると、6ヶ月を待たずに120万円の枠を消化することになります。傷害部分の120万円は自賠責から支払われますが、それを1円でも超えると相手方任意保険会社の手出しとなりますので、ある時を境に急に対応が変わります。保険会社は120万円の枠を超えないように逆算し、事故から3ヶ月、4ヶ月で治療費の打ち切りを打診してくるでしょう。
打ち切りと同時に後遺障害の申請についても情報を提供してくれるでしょうが、原則として6ヶ月以上の治療実績が無ければ後遺障害は認められません。そのことを保険会社は重々承知しているのです。もちろん、2~3ヶ月で完治すれば何も問題はありませんが、後遺障害の申請が視野に入ってくると話は別です。

では次に、その後遺障害の申請について検討してみます。
治療、施術の効果で怪我が完治すれば、それが一番です。しかし、最悪の事態を想定しておかなければ、損をするのは被害者本人です。
最悪の事態というのは、6ヶ月以上治療を継続したにもかかわらず症状が緩解しなかった、つまり後遺障害が残存してしまった場合のことを指します。

整骨院の施術証明書を添付して後遺障害の申請をしたとしても、実際に審査を行う自賠責損害調査事務所では整骨院の通院日数は治療実績としてカウントしないようです。整骨院で実施されるのはあくまでも『施術』であり、『治療』ではないからです。それだけではなく、審査の段階で整骨院の施術証明書を隅々まで読み込み、「症状は徐々に緩和している」という文言を探します。
仮にむち打ち(外傷性頚部症候群)で14級が見込まれる場合、その後遺障害認定要件の一つは「症状の訴えが初診時から終診時まで一貫していること」ですが、「症状は徐々に緩和している」という文言は前述の認定要件と矛盾することになり、この文言を引用され、非該当という結果につながってしまうのです。
治療実績としてカウントされないのに、非該当の理由としては採用されるという、なんとも腑に落ちない事態が実際に起こっています。
そして、非該当と14級とでは最終的に受け取る示談金に大きな差がありますので、被害者は辛い思いと低い賠償金のダブルパンチを食らうということになりかねません。

まとめ

結論としては、傷害部分についても後遺障害部分についても、整骨院の通院歴は不利になると言わざるを得ません。
整骨院にとって交通事故の被害者は「上客」です。
多くの整骨院において、看板やノボリに「交通事故対応」「自賠責対応」と書かれています。
通えば親身になって話を聞いてくれるでしょうし、熱心にアドバイスもしてくれるでしょう。
しかし、物事は大局的に考えなければなりません。
本当に整骨院の通院が必要なのか、よくよくご検討下さい。

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