労災と交通事故について知っておいていただきたいこと

労災で、自賠責より上位の等級が認定された場合に、自賠責に対し異議申立をすることについて

ネットでは、『労災で上位等級が認定された場合は自賠責でも当然その等級を訴えることができる』というような記述がなされているページもあります。
簡単に申し上げれば、異議申立の受任数を稼ぐために書いているのでしょう。悪意を感じます。

自賠責で14級、労災で12級が認定されたとしても、労災の12級をもって自賠責に12級の認定を求めるのはナンセンスです。時間と費用の無駄です。
異議申立で検討すべきことは、労災の等級ではなく、症状の裏付けとなる医学的根拠の補強が可能かどうか、というポイントのみです。
要するに、他覚的所見で勝負しなければなりません。
労災で12級が認定されたことについて、異議申立においてはまったく症状の裏付けとして評価されませんのでご注意ください。
安易な異議申立は、時間と費用のロスです。そして、そんな異議申立をして時間を無駄に浪費してしまったがために、本来立証すべき異議申立をやるには時間的にもう手遅れ、という状態にもなりかねません。

労災とは論点が離れますが、可動域についても同じことが言えます。
診断書等で10級に該当する可動域制限の記載を受けたからといって、そのことのみをもって異議申立を行うのはこれも時間と費用の無駄です。
可動域制限については、それを裏付ける画像所見と医師の所見が必要となります。
それらがあって初めて、可動域が考慮されます。
労災認定必携にも記載されていますが、『機能障害については、将来にわたって改善される可能性を考慮して審査を行う』となっています。
これはつまり、医学的な原因に基づかない単なる拘縮等での可動域制限は、それが将来改善することを考慮して審査するということです。
可動域だけ独り歩きしているような医証で異議申立を行うのは、ナンセンスであることを知っておく必要があります。
また、可動域のみを見て、『~級が考えられます』などという専門家には、注意が必要です。

会社が労災適用を認めない場合

手続きとしては、
・労働基準監督署に出向き、労働者労働災害保険請求書(5号、7号、8号)を入手
・5号、7号、8号それぞれに、住所、氏名、生年月日、事故の発生状況を記入し、会社から事業主の押印と労働保険番号の記入を受ける
・病院に5号を提出、医師の証明印をもらい、書式すべてを労働基準監督署に提出する

以上で完了です。会社が労災保険申請書に押印と保険番号の記入を拒否している場合は、事業主欄は空白のままで、会社が拒否している理由を記載した報告書を添付すればそれで足ります。
ただ、労災適用の問題の根本には、社内での立場や人間関係が大きく作用するという問題があることもまた事実です。
相談会等で、ぜひご相談いただけましたらと思います。

無料相談

専門家の皆様からのお問い合わせはコチラから
交通事故被害者の皆様からのご相談はコチラから
お問い合わせはフリーダイアルをご利用ください。