任意一括の対応について

任意一括の対応とは?

日本で発生した交通事故の約8割が、『任意一括』で処理されています。
任意一括とはどういう仕組みなのでしょうか。
ここでは、加害者、被害者の双方が自賠責保険及び任意保険に加入していることを前提に話を進めます。

交通事故の発生から解決まで

信号停車中に追突され、被害者はむち打ちになった、という事案を例にします。
過失割合は100対0となります。
こうなると、被害者が加入している任意保険会社の出番はありません。
被害者本人に過失が無い、つまり賠償義務が無い、すなわち保険会社の支払い義務もない、からです。
このケースの登場人物は、加害者が加入している任意保険会社と被害者本人ということになります。
被害者は首が痛いので通院を開始しますが、その治療費は多くの場合、加害者側の保険会社が負担しますので、被害者の窓口負担はありません。

その後、保険会社から定期的に具合を尋ねる連絡が入りますが、むち打ちであれば3~4ヶ月くらいで治療費打ち切りの話が出始めます。
しかし、被害者は痛みが治まらないため、通院を継続したい旨を訴え、保険会社も渋々それを受け入れます。
そんなこんなで事故から6ヶ月が過ぎる頃、保険会社は強めに治療費の打ち切りを打診してきます。
と同時に、後遺障害の申請を提案してきます。
「手続きは全てこちらで行いますので、お手間はかかりません。」と話を進めます。
被害者がその提案を受け入れると、1~3ヶ月くらいで後遺障害申請の結果が出て、最終的な示談の提案があります。
その提案を被害者が承諾し、賠償金を受け取ると、この交通事故は法的に終結します。

この一連の流れを『任意一括』と言います。
自賠責の賠償金と、自賠責基準を超える部分を任意保険会社が一括で支払う、という意味です。
任意一括払いだと、被害者としては医療機関の窓口負担も手間も省けるという面はありますが、傷害部分の通院慰謝料や後遺障害部分の損害賠償金(認定された場合)を相手側に握られたまま賠償交渉をすることになるため、金銭的に余裕が無い被害者は示談を急ぐ余り、妥協してハンコを押してしまうということも少なくないようです。

また、任意一括では自賠責調査事務所へ提出する医証について、自ら揃えて立証をすることができません。
つまり、納得のいく医証の提出がそもそも困難なのです。
後遺障害の認定は、提出された医証をもとに行われます。『この検査所見が足りないので、追加で~の検査を受けてきてください』このような指示はまったくなされません。
つまり、十分な医証が揃えられない可能性が非常に高いのです。
高次脳機能障害などは特にそれが顕著です。

後遺障害の手続きでは、必ず被害者請求で十分な医証を自ら揃え提出する必要があるのです。
そしてその医証は、自賠責の範疇にとどまらず、その後の裁判にも影響を及ぼすこととなります。つまり、交通事故解決においては『医証(医学的な証拠)』をどれだけ収集できるかがキーポイントなのです。
しかしながら任意一括では、残念ながら医証を揃えることについて不十分だと言わざるを得ません。
そうならないためには、全てを相手に任せてしまう『任意一括』ではなく、被害者が自ら立証する、『被害者請求』を行う必要があります。

slide3take4

専門家の皆様からのお問い合わせはコチラから
交通事故被害者の皆様からのご相談はコチラから
お問い合わせはフリーダイアルをご利用ください。