高次脳機能障害についての質問③

高次脳機能障害についての質問をQ&A形式でまとめてみました。前回の続きです。

被害者が退院して後、その後の自宅の改造費用等、どの程度まで認められるか?

本格的な自宅改造の費用については、訴訟で請求していく必要があります。
基本的に保険会社が認めるものは、トイレや風呂の手すりの設置等、最小限のものにとどめています。
したがって、訴訟での請求となるのです。
見積もりは、工務店作成のものでは不十分です。
建築士による見積もりをとり、なおかつ医師にその必要性の診断書を取り付けること等で立証しなければなりません。

被害者が一人暮らしのとき、どのように症状、日常生活状況を把握すべきか?

被害者が単身生活の場合、高次脳機能障害の立証は非常に困難をきわめます。
なぜなら、高次脳機能障害の特徴として、「病識の欠如」が存在するからです。
「病識の欠如」とは、被害者本人が症状を自覚しない、ということです。
したがって、単身での生活では周囲の人間が被害者の症状に気づきにくいため、非常に立証が難しくなるのです。
画像の分析などで、想定される症状を洗いざらいに立証していくほかありません。
また、職場の同僚や近隣の親戚、友人などにご協力をお願いすることも有用です。

幼児・児童の高次脳機能障害における症状固定時期の考え方について

幼児・児童であるからといって、症状固定をすることなく治療期間を延ばす必要はありません。
基本的には、大人の場合と同様に症状固定時期を考えるべきです。

痴呆がある程度進行していた高齢者が頭部外傷を負って高次脳機能障害として診断された場合について、症状についてどのように把握していくべきか?

出現している症状が高次脳機能障害によるものか、痴呆を原因としたものかについては、スペクト検査の疾患特異領域解析、Tc-ECD SPECTで一定程度は判別することが可能です。
しかしながら、どの症状が痴呆で、どの症状が高次脳機能障害か?ということに踏み込みすぎるのも問題があります。
先の見えないトンネルに潜りこむようなものです。
基本的なスタイルとしては、今出現している症状について余すとことなく立証する、というスタイルで良いのです。

他覚的所見と親族の主張する症状の整合性についての判断はどのようにすべきか?

日常生活状況報告書、神経系統の医学的意見、後遺障害診断書、これらすべてについて整合性が必要となります。
症状について誇張するのではなく、事実に基づき簡潔に、なおかつ客観的に医証をまとめあげる必要があります。
なかなか難しいポイントですが、とにかく「簡潔さ」「整合性」を十分に留意して立証をすべきです。

次回以降に続きます。

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