高次脳機能障害 高度な立証のポイント

立証の最終局面

最終の局面では、後遺障害診断書と神経系統の障害に関する医学的意見、日常生活状況報告書のドラフトを作成し、医師と入念な打ち合わせを積み重ねていきます。
日常生活状況報告書では、被害者家族の聞き取りの内容はもちろんのこと、神経心理学検査の結果から様々な症状の可能性について被害者家族に聞き取りを行い、あるいは想定される症状が現れる可能性のシチュエーションを実際に試してみたりしながら、問題点を以下の四つに整理します。
・意思疎通能力
・問題解決能力
・持続力、持久力
・社会行動能力

それぞれに具体的なエピソードを入れて、抽象的ではない内容にまとめあげます。
等級認定後は、介護料の請求や自宅の改造等で弁護士と共に緻密な立証を行います。
高次脳機能障害はの立証は、とにかく『経験』がものを言います。

立証の高度なポイント

高次脳機能障害の立証には、これまでに挙げてこなかった高度な立証ポイントがいくつもあります。
それは、経験に基づいていなければ理解することは困難であり、あえてとりあげませんでしたが、ここでそのうちの一つをご紹介します。

頭部外傷による高次脳機能障害は、
注意機能障害>記憶障害>遂行機能障害
の順で障害が重くなります。

例えば、注意機能にまったく異常がない場合に、記憶だけやたらに障害されている、または遂行機能のみやたらに障害されている、ということは通常ありえないのです。
記憶障害がまったくないのに、遂行機能のみ障害されている、というケースも通常ありません。
それはなぜかというと、
高次能機能には大前提として注意機能が土台としてあり、その上に記憶があり、さらにそれに立脚する形で遂行機能があるためです。
イメージとしては、土地が注意機能、その土地に建つ家が記憶、さらにその家の屋上に遂行機能という小屋がのっかっているようなイメージです。

私は、被害者に対して『必ず全力で神経心理学検査に取り組むように』促します。
それは検査結果に詐病が混じってはならない、というのは当然のことなのですが、検査結果が注意機能、記憶は障害域にないのに遂行機能のみやたらに障害域にある、といった医学的には考えにくい検査結果となるのを少しでも防ぎたいためです。

それでも、まれにそういった検査結果が上がってくることもあります。そのときは、立証としてはやや暗礁に乗り上げたような感覚を覚えます。それでも、被害者を信じて立証を突き進んでいくのですが、書類上の立証ではやや方向性などの修正を余儀なくされます。

これは立証の経験豊富な弁護士、行政書士でないと必ず見落としている点です。
やや高度なポイントになりますが、私は非常に重要な要素の一つであると感じています。

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