記憶障害についての具体的対応 ~高次脳機能障害~

高次脳機能障害における記憶障害について

記憶障害とは、新たな情報を覚え、必要な時にそれを思い出すことができない状態のことをいいます。
記憶、と一言で言っても、記憶には様々な種類があり、短期記憶(電話番号を見てすぐに電話をかけるその間の記憶)、長期記憶(必要な時まで覚えておく記憶)、エピソード記憶(昨日実際に自分に起きた出来事の記憶)、手続き記憶(自転車の乗り方など、実際に習得した技術の記憶)、意味記憶(知識的な記憶)、などに分類されます。

交通事故による脳損傷が原因の記憶障害の場合、これらの内では短期記憶や即時記憶に障害が出ることが多く、新しいことが覚えられなかったり、つい先ほどのことを忘れてそのことを問われても思い出せない、といった症状が特徴的です。
記憶障害は、前頭葉の損傷、側頭葉の損傷で起きることが多く、脳損傷による高次脳機能障害の症状としては、非常に多く見られる症状です。

記憶障害の症状

・一度に一つのことしか覚えられない
・新しいことが覚えられない
・道順がわからなくなる
・鍵をかけ忘れることが多い
・話の筋を言えない
同じことを何度も聞く
話すときになかなか言葉が出てこない
・作り話をする
などが特徴的な症状です。
私の経験上では、特に太字の症状については非常によく見られる特徴的な症状であると感じています。
ベントン視覚記銘力検査が代表的な記憶障害の検査です。しかし、記憶の種類によって、他にも様々な検査を実施し、医学的な証拠をそろえる必要があります。

記憶障害への対応

記憶障害の患者様にとって大切なことは、
・生活のリズムを整える
・病識を確立し、自覚を高める
・物の配置をわかりやすくして、物をなるべく探さないで済むように整理整頓をする
・声に出して覚える
・メモをとるようにする
・スケジュール表を作成する
などの対応が大切です。
また、周りの人が理解を深め、環境を整えることで心理的支援をすることも大切です。
患者様が安心感を感じる環境を整え、その環境の中で自然と「記銘と想起」が反復できるような体制が望ましいと言えます。


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