高次脳機能障害の回復過程

高次脳機能障害の回復には、順番があります。
また、高次脳機能障害の回復過程について見てみると、そこから高次脳機能障害の仕組みも見えてきます。

高次脳機能障害の回復について

高次脳機能障害の回復には、ある程度順番があります。
まず、回復する機能から順位付けすると、
易疲労性⇒抑うつ性・発動性の低下⇒注意障害⇒情報処理能力の障害⇒記憶障害⇒遂行機能障害
となります。
まずは精神的疲労が改善しない状態では、発動性の低下が回復していくことはありません。
そして、発動性の低下が改善しなければ注意障害の改善もなく、注意障害⇒情報処理能力の障害⇒記憶障害⇒遂行機能障害の順で高次脳機能障害は回復していくことになります。

回復からわかる高次脳機能障害の仕組み

この、高次脳機能障害の回復過程からわかる高次脳機能障害の仕組みがあります。
よく、法律事務所や行政書士事務所のページでは、画像による脳損傷の部位と症状の合致によって整合性を見出す、ということをホームページ上で載せておられます。
それは、正しいことではありますが、症状の整合性を考えるのであれば、もっと重要なことがあります。
それは、注意障害が高次脳機能障害のベースとなっているということです。

上記回復過程を見ていただきたいのですが、易疲労性、発動性の低下が改善された後に、次に回復するのは注意障害であることがわかります。これは、その上の段階である遂行機能障害、情報処理能力の障害、記憶障害が、注意障害を前提・土台にした障害である、ということなのです。
つまり、注意障害が正常なのに記憶障害だけが著しく悪い、とか、注意障害や記憶障害に障害がないのに遂行機能障害だけが著しく障害域にある、というのはあり得ない、ということなのです。

ですので、画像だけに頼った分析ではなく、神経心理学検査結果における症状の整合性の分析の方が実は重要であり、神経心理学検査結果は、見る人が見ればそれが整合性のあるものであるのかそうでないのかは明らかである、と言えます。
従いまして、注意障害が正常であるのに、遂行機能障害や記憶障害のみが障害域である場合、我々としては立証において苦境に立たされることになります。さらに他の検査等で別の角度から注意障害について追いかけていくことが必要となります。

検査ですから、患者様のその検査を受ける日の体調によっても検査結果は影響します。そういった要素が原因となる可能性もありますので、神経心理学検査にはやはりベストな体調と精神状態で臨むべきであり、どうしても体調や精神状態が芳しくないときは、検査日を別日に変更するべきです


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