バレ・リュー症候群における後遺障害についてのポイント

頸椎捻挫を契機として

頚部交感神経損傷を原因とするバレ・リュー症候群の症状は、不眠が続くことから頭痛が代表的ですが、重症例では、倦怠感、疲労感、熱感、脱力感、眩暈、耳鳴り、難聴、眼精疲労、流涙、視力調節障害、痺れ、肩凝り、背痛、腰痛、頭重感、動悸、息切れ、四肢冷感、食欲不振、胃重感、悪心、腹痛、下痢、便秘などの不定愁訴に、一気に襲われることがあります。
頸椎捻挫を契機として、耳鳴りや吐き気、頭痛などの症状が出現した場合は、バレ・リュー症候群の可能性を考慮すべきです。

バレ・リュー症候群の諸症状は、麻酔科またはペインクリニックに通院し、交感神経ブロック療法を続ければ、多くは2カ月程度で改善が得られます。改善が得られるのですから、後遺障害の対象にはなりません。
頭部外傷Ⅱ型以上を原因とする頭痛は後遺障害の対象ですが、バレ・リュー症候群であれば、後遺障害の対象からは排除されています。

後遺障害について 耳鳴りは後遺障害の対象となる

上記のとおり、交感神経異常を原因とするバレ・リュー症候群の不定愁訴は後遺障害の対象ではありません。
頭痛、眩暈、吐き気で苦しむ被害者は、整形外科以外に麻酔科またはペインクリニックに通院し、交感神経ブロック療法で症状の改善を目指すことになります。
しかしながら、耳鳴りについては立証ができれば、後遺障害の対象となります。

・耳鳴りでは、耳鼻科におけるオージオグラム検査で30dB以上の難聴を伴い、ピッチマッチ、ラウドネスバランスの耳鳴り検査で、耳鳴りが他覚的に立証されたときは、12級相当が認められます。
バレ・リューでも耳鳴りを感じることがありますが、難聴を伴うことはなく、交感神経節ブロック療法で改善が得られます。

通院治療先が整形外科でも、事故直後から耳鳴りの自覚症状を訴えておかなければなりません。
そして、早期に耳鼻科を受診、オージオグラム検査を受けることです。
症状の訴えがなく、2~3ヶ月が経過すると、事故との因果関係は否定されるからです。

排尿障害、嗅覚の脱失について

中心的な傷病名が外傷性頚部症候群であっても、排尿障害の症状があり、尿管カテーテルで強制導尿を実施している被害者に11級10号が、嗅覚の脱失で12級相当が認定されているケースが確認できています。
前者では、ウロダイナミクス検査で尿道括約筋の異常を、後者では、T&Tオルファクトメータで、嗅覚の脱失を立証しています。
事故直後から自覚症状の訴えがあり、症状固定まで継続していれば、原因は特定できなくとも自覚症状が検査で立証されていれば、等級は認定されています。

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