高次脳機能障害の原因 びまん性軸索損傷について②

びまん性脳損傷といっても、脳全体が均一にダメージを受けているのではありません。
損傷がすべての軸索に一様に生じるのではなく、まだら模様のように、脳の部位によって強弱様々に損傷の度合いが現れます。損傷を受ける軸索がある一方、近接部位の軸索にも関わらず損傷を受けない軸索もあります。

したがって、びまん性脳損傷を受けた脳には、損傷を受けた軸索と損傷を受けなかった軸索がまだらに分布することになります。
そこが、高次脳機能障害が被害者個別によってさまざまな症状がさまざまな程度で現れる理由となります。
したがって、さまざまな症状を徹底的に洗い出し、神経心理学検査で立証を重ねていかなければならないのです。

ちなみに、びまん性軸索損傷を受けた軸索はその後、どのようになるのでしょうか。
損傷を受けた軸索は、除去されます。その結果、白質の体積が減少し、脳皮質の萎縮が進行することになります。
画像所見としては、全般性脳室拡大と脳表の脳萎縮となって現れます。
つまり、脳室拡大が高次脳機能障害の直接的な原因なのです。

脳室拡大は、びまん性軸索損傷を原因とする大脳白質体積の減少によって進行していきます。それは徐々に進行するもので、高次脳機能障害の症状固定時期に少なくとも1年の治療期間を置く理由は、私はここにあるのではないかと推察しています。
高次脳機能障害の審査では、『現在の脳の画像』の提出を求められることがあります。それもおそらくここに理由があるのではないかと思われます。

白質

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