高次脳機能障害 受傷直後の脳画像は、正常のこともある?(前編)

びまん性軸索損傷は、高次脳機能障害をもたらす主要な傷病です
しかしびまん性軸索損傷の中には、受傷当日のCTで『正常』である場合があります。

びまん性軸索損傷に特徴的な画像所見である脳内点状出血・脳室出血・迂回槽出血は頭部衝撃が軸索だけでなく脳室壁などの微細血管を損傷させたことにより生じる所見であり、軸索損傷そのものを画像として見ているわけではありません。
しかし、軸索損傷のみで微細血管損傷を伴わないびまん性軸索損傷は十分にあり得るのです。

つまり、微細血管損傷を伴わないびまん性軸索損傷であれば、脳画像の所見は、びまん性の損傷としては『正常』となるのです
この点を抑えておかなければ、頭部外傷の画像診断で『びまん性の損傷がないので、高次脳機能障害は後遺しないだろう』という判断をしてしまう可能性があります。

しかし、高次脳機能障害の立証のためには、『画像所見』は三大要件の一つであり、有用な画像所見が得られない場合、立証は非常に困難になります。
また、傷病名についても、局在性損傷の傷病名、もしくはびまん性軸索損傷の確定診断が必須です。
傷病名、画像所見共に要件を満たさない場合、高次脳機能障害の立証は不可能となりますが、傷病名の要件は満たしているにも関わらず、あまり有用な画像所見が得られていないケースがあります。
それでは、このような場合、どのように立証をしていくべきなのでしょうか?

続きは次回以降にまた記事にします。

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