頭部外傷による嗅覚脱失(減退)

頭部外傷による傷病といえば、脳挫傷等による高次脳機能障害や外傷性てんかんなどが真っ先に思い浮かぶかもしれません。しかし、頭部外傷を原因とするものは当然それだけではなく、複視(物が二重に見える)や聴覚障害、嗅覚脱失(減退)や味覚脱失(減退)といった症状が現れることもしばしばあります。

今回は頭部外傷における嗅覚脱失(減退)について、明日は頭部外傷における味覚脱失(減退)について書こうと思います。

まず、なぜ頭部外傷によって嗅覚が異常をきたすのか?その理由ですが、嗅球の近くに嗅覚神経が通っており、脳の前方下部と鼻で繋がっています。それが頭蓋底を骨折したりすると、その際に嗅覚神経が損傷を受けてしまうことがあります。嗅覚神経が損傷を受けることによって、嗅覚の脱失や減退といった症状が現れるのです。嗅球の位置などは、下図をご覧ください。

      

後遺障害等級としては、オルファクトメーターという嗅覚検査の結果が5,6以上であれば12級相当が、2,6~5,5であれば14級相当が認定されます。

オルファクトメーター以外では、アリナミンPテストで検査がなされる場合もあります。

頭蓋底骨折はしばしば見逃されやすい傷病です。眼窩部のMRI撮影で確定診断を得ておかなければならないのですが、どうしても見逃されやすいようです。頭蓋底骨折によって、めまい・平衡機能障害、耳鳴り・難聴、嗅覚脱失、味覚脱失といった、バレリューにも似たような諸症状が現れることがあります。頭部外傷においては、頭蓋底骨折の有無は注視すべき事項です。

頭蓋底

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