頭部の構造について

意識障害を伴う頭部外傷は、後遺障害が遺残が予想されます。
ここでは頭部、脳の構造や役割について説明します。

頭部の断面

1)頭蓋骨
頭蓋骨は、6種8個の骨からなる脳頭蓋と、9種15個の骨からなる顔面頭蓋で構成されており、それぞれ縫合という結合組織でつながっています。
脳頭蓋は脳を守る役割を担っており、顔面頭蓋は顔の骨を形成しています。
脳頭蓋は、さらに頭蓋冠(天井に当たる部分)と頭蓋底に分かれます。
頭部は、脳が頭蓋骨という固い容器に収納されている形になります。
頭蓋骨よりも外側を頭蓋外と言い、頭部軟部組織がおおっています。
頭蓋骨よりも内側を頭蓋内と言い、脳が髄膜に包まれた状態で存在します。
脳に対して影響を及ぼす頭蓋内の損傷の有無が、頭部外傷では問題となります。

2)髄膜
頭蓋骨の内側には、脳を包んでいる髄膜(脳脊髄膜)という膜があります。
髄膜は外側から順に硬膜、クモ膜、軟膜の3層構造となっています。

頭部 3膜

<1>硬膜
硬膜は頭蓋骨の内面に張りついているラバー状の、丈夫でシッカリした膜です。
脳溝や大脳鎌と呼ばれる左右の大脳の間に入り込んで、脳を固定する役割も担っています。
また、大脳と小脳の間には小脳テントを形成しています。
硬膜は頭部から下の方に行くと2つに別れ、一つは骨膜となり、もう一つは脊髄を包んでいます。

<2>くも膜
くも膜は、硬膜と軟膜の間にある透明な膜、薄く弱い膜で、ピンセットでつまむと破れます。
軟膜との間には、クモ膜下腔という繊維性のネットがあり、脳脊髄液で満たされています。髄液の量はコップ1杯分と言われています。
くも膜下腔に出血が起こったものをクモ膜下出血と言います。
くも膜も硬膜と同様に脳から下の方に続き、第三仙椎で閉じています。

<3>軟膜
軟膜は、脳実質に張りついている透明な膜です。
脳の表面そのものですから、はがすことはできません。
くも膜よりも内側を、無色透明の脳脊髄液が満たしています。
軟膜は硬膜、くも膜と違い、第一腰椎で終わります。

<4>脳脊髄液
脳と脊髄は脳脊髄液という液体の中に浮かんでおり、くも膜の内側を無色透明の脳脊髄液が満たしています。脳脊髄液は、リンパ球が多く含まれ、血清のような成分で構成されており、常に循環しています。
また、髄液は外からの衝撃を吸収したり、脳と脊髄の新陳代謝を調節するなどの役割を果たしています。

3)脳
脳 構造

脳は、深い脳溝で大脳、中脳、小脳、脳幹の4つに分かれています。
中脳は、間脳とも呼ばれています。
大脳は、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉に分けられ、それぞれ異なる機能を有しています。
また、大脳は表面の大脳皮質とその下にある大脳髄質に分かれます。
大脳皮質は、細胞構造の違いによって6つの層に分かれ、52野に分類されます。いわゆる「ブロードマンの脳地図」です。
大脳髄質は神経線維が集まっており、白く見えます。大脳髄質において、大脳皮質同士、脊髄とが連絡しあっています。

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