自賠責保険の保険金額は、年々増額する傾向にあります。自賠責保険の保険金額を押し上げていった要因としては、
①我が国の自賠責保険の保険金額の絶対的低さ
②諸外国の同種制度と比べた場合の相対的低さ
③航空機事故の場合の賠償額と比べてもいかにも低額であったこと
④世界には強制保険に保険金額の定めのない国が数多く存在したこと
などがあります。そして、背景としては、
①裁判所が認定する賠償額の上昇
②賃金・所得の上昇
③物価上昇
④被害者や一般市民の権利意識の高揚
⑤人命尊重思想や人権意識の高まり
などがあります。自賠責保険金額の増額改定が国民所得の伸びと連動していたといえます。