脊柱管狭窄症について

脊柱管狭窄症を考える

頚部損傷でご相談いただく方の約3~4割が、この脊柱管狭窄症を、【ご本人の認識無く】素因・持病として抱えておられます。医療機関では、決まって事故との因果関係がないとの見解がなされます。

 

しかし、トリガー説(引き金論)によって、狭窄を素因として発症した苦痛はもちろん交通賠償の対象となります(損害賠償の場面で「元々爆弾を抱えていたのだからその分は差し引く(素因減額)」と主張されることはあります)。ただ、治療には手術が絡むこともあり 「それは事故とは無関係です」 対応を間違えると、保険会社側の態度を硬化させ、場合によっては自賠責も知らん顔? 大変なことになる危険性もあるやっかいな傷病名なのです。

 

 

まずは理解するところから

 

 

①病態と診断

各椎体の後方には、日本人の平均で前後径約15mmの管があり、脊髄はこの中を走行しています。この脊柱管が狭くなり、脊髄・神経根を圧迫するのが本病態です。医師がXP矢状断で脊柱管前後径を測定、12~13mm以下であれば診断確定します。ヘルニアを合併するとやっかいなのは容易に想像出来るのではないでしょうか。

②症状

経験上、脊髄の圧迫による脊髄症が多いように感じますが、神経根の圧迫による神経症状を示す場合もあると言われています。

 

③治療と後遺障害

ほとんどは保存的療法ですが、それで根治するのか?私は医師ではありませんが、病態から考えると、難しいのではないの?そう思わざるを得ません。症状が酷い場合には手術が選択されることになります。

 

保存的療法に留まる場合は原因が明らかであるため12級13号が基本だとは思うのですが、調査事務所は素因減額的な考え方を等級認定に応用し、もともと爆弾があったのですから14級9号で我慢して下さい」 このような認定を出すケースが非常に目立ちます。

 

手術を選択した場合、手術後の脊柱可動域によっては8級以上の認定も考えられます(測定方法にクセがあるため後遺障害認定の際には専門家のサポートが好ましい)が、ほとんどは脊柱の変形として11級7号になると思います。

 

※手術?

本件では一般的には椎弓拡大形成術となります。ヘルニアの固定術では1椎間固定で11級7号となりますが、椎弓拡大形成術では3椎間に及ばないと11級7号にはならない点に注意が必要です。

 

 

 

立証

・自覚症状を訴え続けること

・神経学的な異常所見を確認してもらうこと

・画像によって根拠・他覚的所見を確保すること

 

基本的には他の12級13号の立証と何も変わることはありません。気をつけることは、神経学的所見について脊髄系・神経根系どちらの圧迫なのか? きちんと分けて現状把握することくらいでしょうか。

 

被害者請求の際には脊髄症状の自賠様式なども駆使して、日常生活においてどれだけの苦痛があるのか? 審査する側に伝える努力が求められます。また、脊髄症状が重いのであれば膀胱機能の異常なども残さず他覚的に検査する必要があります。シビレが強い場合、筋電図等による立証も有用でしょう。さて、保存的に治療した場合の立証は以上で充分なのですが、手術が選択された場合は注意が必要です。

 

症状固定直前になって賠償手続きに不安を覚え、経験の浅い行政書士等に相談

⇒手術を勧められる

⇒医師に頼み込み、手術を受ける

⇒任意保険会社に支払いを拒否される

⇒自賠責は11級7号を否定、14級9号で確定

 

これはよくある話なのですが、症状固定直前期に動き出したことが敗因です。鉄は熱いうちに打て ではありませんが、やるならやる、やらないならやらないの選択が必要です。「なぜ症状固定直前期にいきなり手術と騒ぎ出すのだろう?」 審査する側にこう思われて得することなど一つもありません。

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