胸腰椎の損傷における3DCTについての考察

3DCTはMRIと並び、脊椎損傷の初期検査では必須のものとなっています。
ヘリカルスキャンCTの登場と撮像技術の向上により、精密な三次元画像、体軸方向の断面像の再構成が可能となり、特に骨折・脱臼の形態と脊柱管内の脊髄との位置関係の診断に優れています。

圧迫骨折

レントゲンだけでは後壁の損傷を伴う破裂骨折を見落とす可能性があり、診断にはCTが有用です。
しかしながら圧迫骨折に関して言えば、3DCTについてはそれほど有用性はありません。

破裂骨折

椎体後壁や脊柱管内への陥入を伴うため、レントゲンだけでも明らかに骨片を認めるものもあれば、レントゲンだけでは評価の難しいものまで様々です。
破裂骨折では脊柱管の有効面積を評価することが非常に重要であり、その意味においては3DCTではなく普通の二次元CTのほうが有用ですが、破裂骨片の広がりについては3DCTの矢状断像により明瞭に描出することが可能です。

脱臼骨折

脱臼骨折については、屈曲・回旋・伸延などの外力の種類によって骨折の形態も様々であるため、ひとくくりにはできません。
関節周辺の骨折においては、骨折の形態が複雑になるほどレントゲンのみの評価は困難となります。
椎弓、椎弓根、棘突起、関節突起などの脊椎後方の骨折についてはレントゲンでは評価が難しく、これらについては3DCTが圧倒的な描出能力を発揮します。
また、脱臼骨折では血胸を合併することが多いためレントゲンでの撮影条件が劣悪となり、その意味でもレントゲンだけでは骨折形態の評価が困難となります。
従来の二次元CTで骨折が確認できていたとしても、骨折の連続性を把握するためには3DCTが有用となります。
胸郭、横隔膜の陰影との重なりのため、レントゲンや従来の二次元CTでは正確な脱臼の把握が難しいことがあります。
しかしながら、3DCTを利用することにより脊柱管内への骨片の描出が可能となり、脱臼骨折においては3DCTは極めて有用性が高いと言えます。

まとめ

胸腰椎の損傷においては、
・単純な圧迫骨折では必ずしも3DCTは有用ではない
・破裂骨折では骨片の描出については優れているが、脊柱管の有効面積の把握という面では有用ではない
・脱臼骨折においては、きわめて有用性が高い

ということが言えます・
さらにまとめると。
・3DCTは脊椎の後方部分(棘突起、椎弓、椎弓根、関節突起)の把握に有用
・3DCTは、骨折の連続性についての把握に有用
と言えます。
慢性期よりは、急性期の骨折の状態の把握に有用であるといえます。

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