肩関節脱臼①

肩関節は身体中の関節の中で最も脱臼しやすい関節です。肩関節は関節の中で最も広い可動性を有しているため、その可動域を確保するために関節包がゆるく、周囲の靭帯も他の関節に比べて弱く、また関節の安定性を腱板に依存していることなどがその大きな理由です。

また日常生活動作において肩関節への負担が大きく、外傷を受けやすいのも原因です。外傷性肩関節脱臼は、外力により上腕骨骨頭が肩甲骨関節窩より関節包外に逸脱し、関節軟骨が互いに接することがない状態です。

脱臼した骨頭の位置によって烏口下脱臼、腋窩脱臼、肩鎖下脱臼に分類され、大半は烏口下脱臼です。後方脱臼は割合としては非常に少ないですが、上腕が内転・内旋を強制されることにより発症し、亜脱臼状態が多いため見逃されるケースが少なくありません。

発症

交通事故では、バイクで転倒し、手をついて転倒した場合の外力によって脱臼することが多いです。
脱臼の際に関節包が破れ、骨頭が脱臼する関節包断裂型と、関節唇が損傷して剥離することにより脱臼する関節唇剥離型の2タイプに分けられます。
後方脱臼では、肩関節を90度屈曲、90度内旋した状態で手または肘をついて転倒した場合に、骨頭が肩峰を超え後方に脱臼します。

病態

肩関節脱臼時に肩関節周辺で起こっている損傷は、関節包損傷、関節唇損傷、関節窩骨折、上腕骨骨頭部骨折、肩甲下筋損傷などが考えられます。
関節包断裂型では、比較的整復も良好な場合が多いですが、やっかいなのは関節唇剥離型です。この場合は、反復性脱臼になりやすい傾向があります。理由は、関節唇の損傷がなかなか治癒されにくいからです。
関節鏡視によって関節包、関節唇、関節上腕靭帯などを詳細に調べることにより、今後反復性脱臼に移行するおそれがあるかをある程度診断することができます。

明日に続きます。

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