肩の受傷(骨傷以外の傷病について)⑤

先月から書いていたこの肩のシリーズ、ずっと記事が中断になっていました・・・

今日と明日で、この記事を完成させたいと思います。

今回は、肩腱板損傷の鑑別ポイントについて、そして腱板損傷を疑う際のポイントについて書きます。

●腱板損傷の三大兆候⇒疼痛、軋轢音、筋力低下(持久力の低下)

腱板損傷における三つの大きな特徴として言われるのが、上記の三つです。ただこれでは曖昧すぎるのと、他の傷病における症状との違いが若干不明瞭です。そこで、鑑別ポイントを以下でまとめます。パーセントの数値は、陽性的中度です。これは、その症状を示す患者が腱板損傷である確率、です。あくまでもある一つの統計であり、必ずこの確率である、というわけではありませんが、参考になる数値であると思います。

subacromial effusion sign 89%

腱板損傷によって肩峰下滑液包に血液、関節液が貯留し、注射の際に中から血液、関節液が引いて出てくること。かなりの確率で腱板損傷。血液が混じっている場合、新鮮断裂である可能性が高い。

肩峰骨頭間距離6ミリ以下 81%

腱板断裂があると骨頭は引っ張られて肩峰に近づき、肩峰と骨頭間の距離は狭小化する。XPで確認可能。ただし、感度は13%であるので、症例じたいは少ない。感度とは、実際に腱板損傷である患者が陽性を示す確率です。感度は低いものの、この症状が見られれば腱板損傷である可能性は高い。

拳上時軋轢音 64%

断裂部分が烏口肩峰アーチと擦れることでクリック音が生じる。肩関節周囲炎にはない症状であるので、腱板損傷を疑ううえで重要な症状。

drop arm sign 37%

外転90度付近で上肢を保持できなくなり、上肢を落としてしまう現象。特異度(腱板損傷以外の人間が正常を示す割合)が92%であり、腱板損傷特有の症状である。確かめやすいこともあり、腱板損傷を疑ううえで重要な所見。ただし、腱板疎部損傷では陰性を示す。

棘下筋萎縮 49%

肩関節に異常があるとき、反射的に棘下筋に萎縮が起きる。肩関節に何かしら異常があるかをはかるバロメーターである。

painful arc sign 40%

肩を拳上させ、70度付近で疼痛が生じ、120度付近で疼痛が消失する現象。断裂部が烏口肩峰アーチに当たって疼痛が生じていることが確認できる。

以上、六つの鑑別ポイントについて書いてみました。明日は腱板損傷の確定診断について書きます。

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