肩の受傷(骨傷以外の傷病について)②

腱板について述べる、と前回書きましたが、その前に補足として肩の神経の損傷について書きたいと思います。

交通事故などの外傷によって損傷をしやすい神経は、腋窩神経と肩甲上神経です。

これらの神経損傷が傷病名にあるとき、後遺障害の対象となります。

1)腋窩神経麻痺

 腕が挙がりにくくなり、親指や人差し指(橈骨側)に強烈な痺れが発症します。

 橈骨神経領域の神経症状をしっかりと確認しなければ、五十肩と診断されてしまうケースもあります。

 腋窩神経は肩甲下筋前面を下降し、肩甲下筋と大円筋の間に入り、上腕骨外科頸に近接しながら四辺形間隙の後方を走行しています。四辺形間隙は肩関節包下縁、大円筋、上腕骨、上腕三頭筋に囲まれた空隙で、腕を下げた状態では四角形ですが、腕を上げると三角形に変わります。この際に、腋窩神経が神経障害を起こしてしまうのです。

2)肩甲上神経麻痺

 腕が90度以上挙がらなくなります。痛みがあまり発症しないため、これも五十肩と診断されてしまうケースが多いようです。

 肩甲上神経は棘上筋と棘下筋を支配しています。よって肩甲上神経が神経障害を起こすと、棘上筋、棘下筋の働きが悪くなり、拳上障害が起きます。筋電図で検査をすることは可能です。

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いずれも打撲などの外傷によっても起こりうる傷病ですが、腋窩神経麻痺は多くは上腕骨頸部骨折や肩関節脱臼に併発し、肩甲上神経麻痺は野球の投球動作やバレーのサーブなど、慢性的な刺激の連続によって起こることが大半です。したがって、これらの神経障害については『骨傷のない肩の傷病への対応』という今回のテーマからは便宜上、取り上げないかたちで、『腱板損傷』をピックアップして書かせていただこうと考えております。

次回は、予定しておりました腱板の働きについて書きたいと思います。

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