滑走性脳挫傷と脳梁損傷 ~びまん性軸索損傷の中核的な病変~

頭部外傷によって脳に損傷を受けた場合、四肢に麻痺が残存してしまうケースがあります。非常に重症例です。
このようなケースでは、画像所見ではどのような所見が得られていることが多いと思われますか?

多くの方は、『頭蓋内に出血が非常に多い画像』であるとお思いになると思います。
しかし、実はそうではないのです。頭蓋内血腫が存在する症例よりも非血腫症例の方が麻痺の出現率が高いと言われています。
それはなぜか?

普通に考えれば、頭蓋内に血腫がある症例の方が重篤で麻痺が残るのではないかと思うはずです。
その答えが、今回取りあげます『びまん性軸索損傷』なのです。
実は、非血腫例の中にびまん性軸索損傷の重症例が非常に多いのです。
びまん性軸索損傷は交通事故などによる重症頭部外傷による後遺症(高次脳機能障害)を残存させる最も中核となる損傷であり、今回はびまん性軸索損傷の中核的な所見を二つご紹介します。いずれも高確率で麻痺を残す重篤な病理所見です。

滑走性脳挫傷

白質に見られる出血・挫傷で、大脳皮質にまで及んでいる場合も多いですが白質が主体的に損傷をしている場合は、一般的な脳挫傷(局在性脳損傷)とは区別されます。

交通事故で非常に多発する損傷で、びまん性軸索損傷としての所見となります。
高確率で四肢の麻痺を伴います。

脳梁損傷

びまん性軸索損傷の特徴的な所見です。脳梁は、多くの場合は正中よりも左右いずれかに偏って存在しています。

高確率で麻痺を伴い、情動障害(非常に怒りやすく暴力的になる)を伴う確率も高いのが特徴です。

以上、びまん性軸索損傷の特徴的な所見をご紹介しました。
高次脳機能障害では立証には様々な資料が必要となります。
『医師の医学的な見地から見た所見』、『意識障害の程度』、『日常生活状況報告書』、『画像所見』、『神経心理学検査の結果』これらすべてが判断材料として審査され、総合的に等級の認定がなされているものと思われます。
個人的には、特に決め手となるのが『医師の所見』と『画像所見』だと考えています。

画像は、やはりどのような後遺障害であっても最強の他覚的所見です。脳梁にまで損傷が及んでいる画像所見を見れば、やはり等級認定の際にも『重篤であろう』と判断がなされやすいのではないか、と思われます。

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