前十字靭帯は、大腿骨の外側と脛骨の内側を結び、脛骨が前にズレるのを防いでいます。
膝を伸ばした状態のときに膝を捻ると前十字靭帯損傷が起きます。
MRIとラックマンテストで診断することが可能です。
ラックマンテストとは、膝を20度ほど屈曲させ、前方に引き出します。その際に、脛骨が前方に大きく引き出されます。
立証方法
・左右の筋委縮検査
・ストレスXP(その結果を受けて、後遺障害診断書に動揺性の数値の記載を依頼する)
・MRI
・装具の必要性と程度を医師に所見として記載していただく
後遺障害等級
靭帯損傷の存在が他覚的に証明されている前提で、その程度によって3段階となります(器質的損傷が比較的軽い場合14級9号もあります)。
8級 動揺関節で労働に支障があり、常時固定装具の装着を絶対に必要とするもの
10級 動揺関節で労働に支障があるが、固定装具の装着を常時必要としない程度のもの
12級 動揺関節で通常の労働には固定装具の装着の必要がなく、重激な労働等に際してのみ必要のある程度のもの
前十字靭帯損傷の危険性
靭帯の損傷は、基本的には放置していても元の緊張に回復することはありません。ですので、保存的治療であっても、何かしら治療を受ける必要があります。
前十字靭帯の損傷を放置していると、膝関節の軟骨が摩耗し、半月板損傷などを併発してしまう危険があります。
保存的治療が選択されることが多いのですが、大きな動揺性を残している場合は、靭帯の再建術を受ける必要がある場合もあります。その際は、膝関節の専門医のいる医大系の総合病院を選択する必要があります。