8級相当:第1第3腰椎圧迫骨折(30代男性・大阪府)

【事案】
ロードバイクで走行中に、交差点で自動車と出合い頭衝突したもの。
【問題点】
圧壊が2つの椎体及んでいるにため、圧壊についての正確な測定、立証が求められた。
【立証のポイント】
2つの椎体の圧迫骨折であるため、減少したすべての後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個あたりの高さの何%に当たるかを立証した。
本件では、
第1腰椎 前方椎体高 2,07cm 後方椎体高 3,73cm 圧壊率44,5%
第3腰椎 前方椎体高 2,10cm 後方椎体高 3,39cm 圧壊率38,1%

複数の椎体に圧迫骨折が及んでいる場合、すべての椎体について圧壊率を明らかにしなければなりません。
8級相当が認定される。
(平成29年1月)

8級2号:第5腰椎破裂骨折(60代男性・千葉県)

【事案】

現場への移動で自動車に同乗中、高速道路で追突事故となった。自動車の前部は潰れ、しばらく自動車から脱出できない状態になってしまった。腰椎は破裂骨折、右下肢はダッシュボードに挟まれ、脛骨骨幹部、腓骨骨頭を骨折した。さらに、第2~5中足骨を骨折、リスフラン関節部脱臼を伴った。
緊急入院し、それぞれ手術で骨折部を固定した。1年にわたるリハビリでなんとか杖をついて歩けるようになった。

【問題点】

本人は「治るまで症状固定はしない」と、仕事へ復帰する執念をもっていた。しかし、腰の可動は失われ、右足へ全体重の荷重は困難であれば現場仕事は無理である。これだけ重傷であれば、リハビリは日常生活への復帰が限界、肉体労働は不可能である。したがって、後遺障害の認定へ向けて切り替えるよう説得を続け、納得した上で依頼を受けた。

【立証ポイント】

画像上、腰椎の癒合を確認するものの、不安定性は払拭できない。医師面談し、詳細に診断書内容を打合せ、続いて理学療法士と共に腰部、下肢の関節可動域を時間をかけて丁寧に計測した。受傷様態、癒合状態からすべての関節で「用廃」は確保できるので計測ミスを防ぐことに注力した。当然に腰の前屈・後屈は2分の1制限を計測、8級2号を確保した。下肢の7級と併わせ、併合5級とした。

(平成27年2月) ※ 併合の為、分離しています
 

併合7級(8級2号・12級13号):第2頚骨骨折・頬骨骨折(60代女性・埼玉県)

【事案】

自転車で交差点を横断中、右方よりの自動車と出会い頭衝突しもの。その際、外傷性くも膜下出血、頬骨骨折、そして第二頚骨を骨折した。
脳出血は大事に至らず、顔面はチタンプレートで3箇所固定した。頚骨は2本のスクリューで固定され、以後、首の回転は不能となった。

【問題点】

整形外科、形成外科、脳外科の3医師と面談、各科にて診断書をまとめる作業となった。頬骨は癒合良く、医師は抜釘を決断、抜釘術後に症状固定とした。首の8級は照準内だが、顔面はこのままだと14級9号。

【立証ポイント】

第1~2頚椎が固定された為、首の回旋・可動域は5度レベルで8級は確実。念のため理学療法士の計測に立会い、正確な計測値を確保した。
しびれを訴える顔面部について、三叉神経麻痺の診断名を強く訴え、医師に加えていただいた。更にCTを再検査し、その画像から頬骨のわずかな陥没と眼窩外側壁のこれまた微細な欠損について記載を求めた。顔面を12級にして併合7級に引き上げるためである。

申請後、保険会社から「顔は14級」との予審回答があったが、「12級じゃなければ異議申立てします」と弁護士を通じて回答、この強姿勢・豪腕で併合7級の認定を得る。

(平成27年6月)
 

14級9号:陳旧性・腰椎隅角骨折 (30代男性・埼玉県)

【事案】

車外から助手席の荷物を出そうとしている際、スリップした自動車に追突された。腰を痛め、レントゲンを撮ったところ、腰椎の角が折れていることがわかった。

【問題点】

まず弁護士が受任し、「隅角骨折」として依頼を受けた。受傷機転から、その衝撃で腰椎が折れるかをまず検証すべく、CT、MRI画像を読影した。やはりというか、MRI上、骨折部が新鮮骨折でなく陳旧性と判断できた。他にシュモール結節もあり、事故による損壊との認識はできなかった。

【立証ポイント】

診断名を鵜呑みに申請しても11級7号など望めないことはわかっていた。事前に依頼者を諭し、14級を抑えることを目標に申請を進めた。過度な期待を持たせればトラブルに発展することになる。このようなケースでも正確な読影力が不可欠なのである。

14級9号認定後、念のためであるが画像鑑定を行い、その結果を示して依頼者の納得を得た上で弁護士にお返しした。

(平成25年1月)

14級9号:頚椎棘突起骨折(40代女性・茨城県)

【事案】

高速道路で渋滞停車中、後続車に追突された。衝撃が強く、CT検査で第六頚椎の棘突起骨折が判明した。大事に至らずも、頚部の痛み、左上肢のしびれが継続した。

【問題点】

椎体自体の骨折ではないので、安静して癒合を待てば後遺障害の心配はない。しかし、頚部に相当のダメージを受けたことから、神経症状の残存は十分想定される。
いつも通り、診断書の記載をお願いするため医師面談したが、医師が患者以外の介入を非常に警戒してしまい、直接交渉は断念した。おまけに後遺障害診断書は患者に渡さず、直接、保険会社に渡す方針とのこと。ここまで患者側を信用せず、保険会社を信頼している医師も珍しい。

【立証ポイント】

こうなったら医師の機嫌を損ねないよう、事前認定で進めることにした。被害者と綿密に打ち合わせし、医師に記載事項を伝達した。そして、診断書は相手保険会社へそのまま提出。普段は被害者請求にて申請書類を精査してから提出している。不安であったが、意外に医師は丁寧に診断書を書いて下さった。

後遺障害の申請は被害者請求が原則と考えています。しかし、等級を取るために有利であれば、本例のように事前認定の選択をします。申請方法はあくまでも手段、目的は等級認定なのです。

ちなみにもう一人の同乗者も頚椎捻挫。この方は違う病院に通院していたため、いつも通り、医師面談を経て被害者請求にて14級認定。申請方法は違うが、仲良く合流させて連携弁護士の賠償交渉へ進めた。

(平成25年12月)

8級2号:第2頚椎骨折(70代女性・埼玉県)

【事案】

自動車の助手席に搭乗中、交差点で信号無視の自動車に左方より側面衝突を受け、受傷。第二頚椎を骨折、スクリュー2本で軸椎・環椎を固定した。

【問題点】

受傷箇所は命に係わる部位、医師は第1~2頚椎の安定を最優先とした。当然なが頚部の可動域は半分以上失われた。それでもリハビリ努力でかなりの回復を見せたと言える。また、比較的高齢であるので、スクリューを抜釘しないものと思っていたが、医師は1年半後に抜釘を行った。これが可動域の回復にどの程度影響するか・・2分1の以下の可動域制限で8級となる。可動域制限の理由を明らかにすることが本件のミッション。

【立証ポイント】

CT画像を精査すると軸椎と環椎の不自然な癒合がみられた。医師にそれを指摘すると、スクリュー固定中に両頚椎間の一部が不正癒合したと判断された。これを後遺障害診断書に変形と可動域制限の原因として追記頂き、確実に8級をおさえた。
医師によると、固定したままでは患者の苦痛はもちろん、予後に様々な症状が併発されるので最近は抜釘を積極的にするようにしているとのこと。

(平成26年8月)

11級7号:第11胸椎圧迫骨折(70代女性・奈良県)

【事案】

原付バイクで交差点内で右折待ちをしていたところ、後方から自動車に追突されたもの。

【問題点】

脊柱の変形についていかに画像所見と後遺障害診断書に落とし込むか?

可動域については機能障害としては認定されないところまで回復していた。

【立証のポイント】

椎体の圧潰が25%を上回っているかどうか?またご年配の被害者様であるため、骨折の状態はどうか?これらを丁寧に追いかけていく必要があった。

3DCT等を駆使し、医師に後遺障害診断書に所見を落とし込んでいただく。さらに、骨折が陳旧性の物ではなく、新鮮な骨折であることもMRIから補足的に立証。脊柱の変形が認められ、11級7号が認定される。

(平成26年11月)

8級相当:第1腰椎、第11胸椎圧迫骨折(40代男性・茨城県)

【事案】

歩行中前方より走って来た自動車に衝突され、激しく転倒したもの。

【問題点】

8級レベルの脊柱の障害とは?

【証明ポイント】

第1腰椎についてXPで確認可能な圧壊を前後の比較で数値化してもらい(前20ミリ後方36ミリ)、可動域制限も正しく計測を受け(半分以下)後遺障害診断書に記載を受けた。以上で認定表の上では8級2号該当も、可動域制限が発生して当然と言えるための要件は非常に厳しく(実際本件も8級2号は否定されている)、普通に考えれば11級7号がやっと?

今回の実績は少々クイズ形式。実はここまでに提示されている材料から、もう一つ検討するポイントがあり、そことの兼ね合いで8級相当の可能性が読み取れる。

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ポイントは第11胸椎。

圧迫骨折が1つであれば話は単純、前が後ろより50%以上圧壊していれば8級認定。しかし本件はその要件を満たさない。ただ、今回は2箇所の圧迫骨折。この場合、減少した全ての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さの50%以上であれば、「せき柱に中程度の変形を残すもの」として別表第二備考6により別表第二第8級相当が認定される。

(例)例えば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第1腰椎の前方20ミリ、後方36ミリ
第11胸椎の前方33ミリ、後方36ミリ
合算して前方53ミリ、後方72ミリ
72-53=19ミリ

この19ミリが上記「減少した全ての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差」 であり、72÷4=18ミリ、この18ミリが上記「減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さの50%」となる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2つ以上の圧迫骨折がある場合、代表的1つだけでなく全ての椎体について圧壊率の記載を求め、もちろんそれだけでなく可動域制限も正しく計測して万全の申請をすること。これが本件の教訓であった。現在は弁護士委任の上最終段階。

(平成24年9月)

11級7号:胸椎圧迫骨折(40代男性:静岡県)

【事案】

幹線道路をバイクで走行中、路外の駐車場から出てきたトラックに衝突された事故

【問題点】

多部位の骨折であるため、各部位について正確に後遺障害診断書に落とし込まなければならなかった。

【立証のポイント】

病院同行し、主治医に必要な検査を依頼し、
また、主治医と相談してどういう画像で立証すればいいか検討した結果、
併合8級が認定される。
※併合のため分離しています。
                                    (平成24年6月) 

11級7号: 腰椎圧迫骨折(30代男性・神奈川県)

【事案】

自転車走行中、左側駐車場からバックで出庫した自動車に側面から衝突され、転倒。第2、3腰椎の圧迫骨折となる。

【問題点】

11か月経過も腰を曲げる事ができず、リハビリの継続をしながらも症状固定とする。腰椎の圧壊率は25%を超え、脊椎の変形障害をクリア、さらに腰の2分の1以下の可動域制限が認められるかどうかの勝負となった。

【立証ポイント】

数度の医師面談を重ね、理学療法士の可動域測定にも立ち会う。しかしその計測値に対し、正しい方法での測り直しを強く主張、医師の再計測を促した。
結果は労災と違い、単なる2分の1以下制限では8級を認めない自賠責の運用基準に阻まれる。敗北を認めざるを得ないが、万全の努力は尽くしたと思う。あとは訴訟での再戦にかける。

脊椎全般における調査事務所の(未公表)判定基準を把握する経験となった。

(平成23年8月)