7級相当:右腓骨神経麻痺(40代女性・兵庫県)

【事案】
バイクの後部座席に搭乗中、そのバイクが乗用車に追突し、投げ出されたもの。
【問題点】
家族もお子様のみで、怪我で身動きもとれず、対応全般に苦慮しておられた。
また、診断名では腓骨神経麻痺の記載はなく、右脛骨腓骨骨幹部開放骨折という診断名であった。
しかしながら、被害者に面談し、症状をお聴き取りすると、腓骨神経麻痺が疑われた。
【立証のポイント】
受任から早期に医師面談を行い、神経伝達速度検査の実施を依頼。
被害者の訴える痺れの症状、右足関節、右足趾の背屈困難の症状について、具体的に医学的な根拠を追跡した。
神経伝達速度検査の結果、右腓骨神経麻痺という傷病が立証され、医師も右腓骨神経麻痺と診断した。
その後、画像の分析、カルテの分析等を行い、フォローを続け、症状固定時期について適切な時期を選定、医師面談を行い、医師に症状固定の依頼を行う。形成での医師面談等も含め、医師面談回数は延べ7回に及ぶ。
仕上がってきた後遺障害診断書であったが、医師面談で依頼したにもかかわらず、足関節、足趾の可動域について、他動値の記載があった。
腓骨神経麻痺のため、自動値のみでの計測、診断を医師面談で再度依頼し、後遺障害診断書を作成し直していただく。
右足関節強直による8級7号、右足趾用廃による9級15号が認定され、同一系列により7級相当が認定された。
骨盤骨折後の変形で12級5号も認定されていたため、併合6級の認定となった。
(平成30年2月)

12級7号:リスフラン関節脱臼骨折(50代女性・福岡県)

【事案】
自動車で走行中に、対向車がスピンしてきてセンターラインを越え、正面衝突されたもの
【問題点】
小腸の切除、左膝蓋骨開放骨折、右母趾亜脱臼、腰椎圧迫骨折、など負傷箇所は多岐にわたり、一つ一つの傷病について注意深く画像等をチェックしていく必要があった。
中足骨の脱臼で転位が大きく、手術により固定されたが、通常リスフラン関節脱臼では足関節に機能障害を残すことは少なく、機能障害としての後遺障害等級獲得について、困難が予想された。
【立証のポイント】
抜釘後にMRIの実施を依頼し、足関節の機能障害との関連について、画像所見から追いかけて立証した。
現実に足関節の機能障害は残存しており、それが拘縮からくるものであるのか、それとも器質的な原因からくるものであるのか、最後まで微妙であった。
医師面談では、後遺障害診断書において考え得る原因について列記いたただき、リスフラン関節脱臼骨折と足関節の機能障害について、関連付けた医証を作成いただき、提出。
結果は機能障害として12級7号が認定され、神経症状ではなく機能障害としての等級認定に成功した。
なお、腰椎圧迫骨折で11級7号、左膝蓋骨開放骨折で12級13号が認定され、併合10級となった。
(平成30年1月)

10級11号:左足関節脱臼骨折(30代男性・大阪府)

【事案】
事故により左足関節を負傷したもの。
【問題点】
可動域制限が残存しており、その原因を立証しなければならなかった。
医師に可動域の数値を診断書に書いてもらうだけでは認定されない。その可動域制限が、何を原因として発生しているのかを立証しなければ認定されないのである。この点は、多くの専門家を名乗る方々が理解できていない点である。
【立証のポイント】
3DCTにより、左足関節内果部の骨癒合不良を立証。
画像を分析したところ、足関節後方部の骨棘形成や外側から後方にかけて複数の骨片の残存が認められた。
そこで、医師にその旨の記載を依頼。
また、Tillaux_Chaput骨折を伴う脱臼骨折であったため、前方から固定する術式が採用されていた。
そのため、それによる周囲組織に対する侵襲性について医師に確認し、その旨も診断書にご記載いただいた。
左足関節の機能障害で、10級11号が認定される。
(平成29年3月)

10級11号:左距骨開放性脱臼骨折(30代男性・岡山県)

【事案】
勤務中に高所でクレーン車に接触され転落したもの。
【問題点】
受傷から4か月ほどで治療がなされない状態となっており、相談時はすでに時効が迫っている状況であった。
治療がなされなかった理由は、医師がまったく協力的でなかった、と被害者は訴えており、後遺障害診断書の作成も拒否された、とのことであった。
【立証のポイント】
画像を分析したところ、左距骨脱臼骨折が確認できた。
非常に重傷で、なぜ医師がここまで協力的でないのか、疑問しか持てなかった。
岡山県の被害者ではあったが、京都の専門医をご紹介し、遠方ながら受診していただく。
CT、MRIで改めて現在の状態を診断していただき、その医師のもとで症状固定とする。
左足関節の機能障害で、10級11号が認定された。
時効目前であったので、もう少しご相談の時期が遅れていたら手遅れになっていた案件であった。
(平成29年10月)

8級相当:腓骨神経麻痺(20代女性・千葉県)

【事案】

通勤時、自動車で直進走行中、対向車がセンターラインオーバーしてきて正面衝突したもの。自動車の前部は潰れ、左脛骨・腓骨を開放骨折、腹部を強打し、肝損傷の診断となる。
緊急手術を行い受傷各部を整復したが、足関節は背屈不能、足指も動かず、腹部は胆管狭窄・胆のう障害で以後、数度の手術を強いられる。

【問題点】

足関節・足指は神経麻痺のため、改善は見込めない。そこで腹部は労災で治療継続中ながら、思い切って症状固定・後遺障害審査に進めた。ミッションは腓骨神経麻痺の改善に熱心な主治医を説得、手術を延期して後遺障害診断をお願いすること、正確な計測を促すことである。手術を行っても劇的な改善の保証はない故、早期に職場復帰をにらんでの決断である。

【立証ポイント】

やはり、下垂足の計測が自己流で不正確。背屈は「自動運動不能」でなければならない。このままでは足関節は12級の判断となってしまう。しつこく計測に立会い、2度目の同行では写真や専門書を示しながら必死に記載を修正頂いた。さらに、面倒がる医師に足指の計測も別紙に漏れなく記載頂いた。これが功を奏し、足指の全廃で9級15号を押さえた。

結果、足関節の10級11号を併合し、8級相当とした。このような同一系列の併合ルールを仲間内では「部分併合」と呼んでいます。

(平成27年5月) ※ 併合の為、分離しています

併合14級:腓骨骨幹部骨折・足関節挫創(60代女性・千葉県)

【事案】

自転車で道路を横断中、右方よりの自動車に衝突を受け、腓骨を骨折したもの。腓骨は保存療法とし、リハビリを継続、半年後に症状固定とした。

【問題点】

受傷初期からの受任なので、人身事故の届出で警察に同行、健保切替え手続き等のフォロー、主治医面談及びリハビリ計画など、順調に解決まで誘導できた。
相談・受任が早ければ、すべてにわたり先手を打てるので問題は起きない。

【立証ポイント】

骨折の癒合が良好でも痛みや不具合は残る。申述書等を添えてしっかり14級9号を抑え込む医証を揃えた。意外だったのは「挫創」の診断であった足関節も同じく9号がついたことです。おそらく受傷後~症状固定までの写真添付から、痛みの重篤度を勘案していただけたのでしょう。

(平成26年4月)

併合10級:脛骨・腓骨近位端骨折・下肢醜状痕(40代男性・神奈川県)

【事案】

ツーリング中、後続バイクの追突で転倒、右下肢の脛骨・腓骨を開放骨折。創外固定、受傷部の皮膚移植を施行。その後、危惧していた感染症を併発し、治療は2年以上を要した。既に弁護士に委任も、症状固定を前に後遺障害の医証まとめに特化した依頼を受けた。

【問題点】

重傷で苦しんだ以上、等級の取りこぼしは許されない。できうる最大の等級獲得を検討した。脛骨・腓骨が近位端骨折であるゆえに膝関節の可動域制限12級は余裕で立証できる。醜条痕も見ての通り。しかし、本件の問題は足関節の可動域制限の原因であり、その究明が必要であった。

【立証ポイント】

主治医と共に改めて読影を行い、脛腓骨・骨頭部の交差部の不整癒合が原因であると結論、それを診断書に落とし込んだ。足関節の機能に腓骨頭の可動が影響することを学んだ。これで膝関節と足関節でそれぞれ12級7号を確保、併合11級とした。
続いて醜条痕を写真撮影、別紙にて詳細に大きさを計測・記載、万全の医証で提出した。その後、醜状痕の面接には念のため弁護士の立会いをお願いした。

結果、醜状痕でも12級相当をゲット、併合10級にまとめた。これがお金を頂くプロの仕事。

(平成27年1月)

7級相当:脛骨・腓骨・第2~5趾リスフラン関節脱臼骨折(60代男性・千葉県)

【事案】

現場への移動で自動車に同乗中、高速道路で追突事故となった。自動車の前部は潰れ、しばらく自動車から脱出できない状態になってしまった。腰椎は破裂骨折、右下肢はダッシュボードに挟まれ、脛骨骨幹部、腓骨骨頭を骨折した。さらに、第2~5中足骨を骨折、リスフラン関節部脱臼を伴った。
緊急入院し、それぞれ手術で骨折部を固定した。1年にわたるリハビリでなんとか杖をついて歩けるようになった。

【問題点】

本人は「治るまで症状固定はしない」と、仕事へ復帰する執念をもっていた。しかし、腰の可動は失われ、右足へ全体重の荷重は困難であれば現場仕事は無理である。後遺障害の認定へ向けて切り替えるよう説得を続け、納得した上で依頼を受けた。
また、職場では労災事故としてもらえず、任意保険の対人賠償も運転者が同僚であるため免責、人身傷害保険のみの対応であった。

【立証ポイント】

まず、医師面談し詳細に診断書内容を打合せ、続いて理学療法士と共に腰部、下肢の関節可動域を時間をかけて丁寧に計測した。受傷様態、癒合状態からすべての関節で「用廃」は確保できるので計測ミスを防ぐことに注力した。
しかし、医師が診断書をなかなか記載せず、3か月待たされることに。症状固定後の休業損害が得られない状態は経済的に厳しい。連携弁護士より傷害部分の慰謝料を先行請求してしのいだ。その間、再び病院へ足を運び、診断書記載を急かした。

結果は足関節の「用廃」で8級7号、足趾は「1足の足指の全部の用を廃したもの」9級15号で、脚全体は7級相当とした。腰も当然に8級2号を確保、結果、併合5級とした。
賠償交渉は使用者への賠償額より人身傷害保険からの支払額が逸失利益上有利なため、連携弁護士は人傷への請求で切り上げた。

本件はこれで終わりではない。労災について、勤務先、元請先に働きかけて請求を進めている。下請業者は元請会社の顔色をうかがって労災を使わせないことが日常的なのです。労災を使わせない業界の悪癖を打破すべく、ケンカ腰でそれぞれ交渉を継続、相手(職場)が弁護士を立てようが、こちらも適時弁護士を入れてしぶとく労災使用を促した。
労災でも併合5級を目指す必要がある。働けなくなった今、労災の年金支給を諦めるわけにはいかないのです。

(平成27年2月) ※ 併合の為、分離しています

10級11号:足関節開放脱臼骨折(30代男性・埼玉県)

【事案】

自転車で交差点を横断中、左折するトレーラーに巻き込まれ、右手関節(尺骨遠位端、手根骨、第二中手骨)、右足関節(両顆部)を骨折した。手関節、足関節共にプレート固定を施行した。

【問題点】

本人の回復努力と長期のリハビリから、ケガの重篤度の割に骨癒合は良好、回復は順調であった。医師も可動域制限など残さずに治す執念を持っていた。それは当然のことであるが、これだけのケガで後遺障害を残さず完治するわけはない。中途半端な回復で手首12級、足首12級の併合11級の可能性があった。

【立証ポイント】

適切な時期に相当の等級に収めるべく、病院に同行し症状固定に進める。また関節可動域計測に立ち合い、面倒がる医師に計測を促す。また、可動域制限の原因として骨折だけではなく、アキレス腱の手術について術式内容をしっかり記載いただいた。これが足関節の可動域に影響しているとみたからである。10級レベル(2分の1制限)の等級を確保するにあたり、「骨癒合良好」では可動域制限の説明とならない。
さらに申請後、足関節部の醜状痕の大きさについて計測の依頼があり、同じく病院同行して測っていただいた。結局、医師もこちらの熱意に根負け、重ねて協力していただけた。

結果は機能障害で10級11号、醜状痕でも14級5号を確保。これに、手関節の10級10号が併合され併合9級とした。目標通りの等級に届いた。

(平成26年5月) ※ 併合の為、分離しています
 
  

12級13号:足関節外顆骨折(30代男性・埼玉県)

【事案】

バイクで交差点を青信号で直進中、信号無視の自転車が横断してきた。それを避けようと転倒し、右足関節の外顆を剥離骨折、後距腓靭帯を損傷、手関節もTFCC損傷の疑いがあった。

【問題点】

相手は自転車で、なおかつ非接触の事故であり、まったく賠償交渉の進展がないまま相談会に参加された。外傷についてはCTやMRIを撮っておらず、診断名があやふやで後遺障害が絞りきれなかった。まして、自賠責保険のような申請先がなく、そのまま相手加入の個人賠償責任保険への請求なので難航が予想された。

【立証ポイント】

同時並行して連携弁護士に個人賠償保険社への交渉を依頼した。非接触による過失減額が争点となったが、それ以上に後遺障害の残存が問題となった。それについては主治医と面談し、MRIの追加検査とリハビリ記録を精査するなど進めたが、微妙な所見に留まり、医証をまとめるのに苦慮した。

結局、訴訟に発展し、足関節は12級13号の賠償となった。後遺障害の立証は今一つであったが、非接触事故で相手自転車から賠償金を取ったことは評価できると思う。

(平成26年9月)