交通事故 過失割合でよくある質問

交通事故無料相談会などで、過失割合について、『保険会社はこちらの過失なしで全額みてくれると言っている』と相談者様がおっしゃるのを耳にすることがあります。
相談者様は過失なしを相手保険会社が認めたと認識されており、しかしながら事故状況をお聞きすると、過失がどう考えてもゼロではないと考えられる案件なのです。
では、なぜそういうことが起こるのでしょうか。

過失割合と自賠責保険

自賠責保険は、人身事故において、過失70%以下の場合は過失の適用をしません。
つまり、相手保険会社は、自賠責の120万円の範囲内においては、過失割合に関係なく自賠責保険から治療費を回収できるのです。
そのため、被害者に対して、『治療費は全額みさせていただきます』といった対応がなされることがあり、被害者はそれを信じて、上記の相談者様のようなケースとなるのです。

しかし、保険会社はその時点では、自賠責120万円を超えるような治療期間を想定していませんし、後遺障害の申請がなされるということも想定していません。あくまでも、自賠責120万円の範囲内で治療費の支払いが終わるだろうという想定のもとでそのような説明をしています
したがって、『治療費は全額みます』と説明されていたとしても、治療費が自賠責の範囲を超えた場合や、後遺障害が認定された場合は、過失割合について厳密に適用してくる可能性が高いと考えられます。

したがいまして、過失割合については、仮に保険会社が治療費の全額について負担を約束をしていたとしても、実際の過失割合については実況見分調書を取り付け、しっかりと検証しておくことが大切であると言えます。
過失関係なし、はあくまで自賠責の範囲内でのことであって、後遺障害が認定されるようなケースでは、その後の賠償交渉では厳密に過失割合の適用がなされる、という心構えのもとで準備を進めていくようにすべきです。
このようなケースでお悩みや疑問をお持ちの方は、フリーダイヤルにてお気軽にご相談ください。
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『後遺症』と『後遺障害』

リーフ行政書士事務所は、『後遺障害』の立証の専門事務所です。
皆様は、『後遺症』と『後遺障害』の違いをご存知でしょうか。
『後遺症』は、治療を行った結果残ってしまった体の障害をいいます。
『後遺障害』は、後遺症の内、自賠責の補償の対象となる後遺症のことを言います。

つまり、『後遺症』を証明しても、補償や慰謝料は得られません。
『後遺症』ではなく、『後遺障害』を立証しなければ、被害者は補償を十分に受けることができないのです。
医師が診断しているから大丈夫?
ヘルニアの画像所見があるからもう認定は確実?

そんなことはありません。
それはまだ、『後遺症』の世界の範疇です。
『後遺症』として認定されても、補償は受けることができません。
『後遺症』から『後遺障害』へと、デザインしていかなければならないのです。
そのためには、自賠責のルールをしっかりと研究し、治療費を負担する保険会社の考え方にも配慮しなければなりません。

痛みは残った・・・、でも補償は受けられない・・・
そういった被害者様を一人でもなくすため、私たちは今後も、『後遺症』の専門家ではなく、『後遺障害』の専門家として活動を続けてまいります。

交通事故で通院しているけどこのままでいいのか?
いまのままの検査や医証でじゅうぶんなのか?
今の保険会社への対応の仕方が間違っているのかどうか聞いてみたい
など、交通事故の入院中や通院中にお困りでしたら、ぜひフリーダイヤルで無料相談をお申込みください。
疑問にお答えさせていただきます。

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自賠責の判断と医学的見解は異なる!

自賠責の後遺障害認定についても、むちうちの初回申請など件数が多すぎるものを除き、医師が判断に関与しています。
ですが、自賠責の後遺障害認定についての考え方は、必ずしも現在の医学界における考え方とは一致していません。
わかりやすく説明すると、自賠責の考え方が医学界での見解と大きく異なる点は、『器質的損傷重視』という点です。

頭部外傷を例にすると、医学の世界では、脳挫傷やくも膜下出血など、器質的、実質的な脳の損傷とその後の高次脳機能障害の症状とは必ずしも一致を見ないというのが主流の考え方です。
わかりやすく言いますと、例えば脳挫傷などの器質的な損傷が見られなかったとしても、脳が揺さぶられたことによって高次脳機能障害の症状が発生することはあり得る、という考え方です。
実質的な脳の損傷が見られなかったとしても、実際の症状や受傷時の意識障害などを総合的に判断した結果、高次脳機能障害として診断がなされうるのです。

しかし、自賠責の考え方はそうではありません。医師が判断について関与しているのにも関わらず、です。
考え方が違う、というのは正しくないかもしれません。考え方は同じであったとしても、自賠責の場合は明確に線引きをしています。その線引きが、『実質的な脳の損傷が存在しているか』という部分です。
いかに神経心理学検査において高次脳機能障害を思わせる検査結果が出ていたとしても、脳に器質的、実質的な損傷が認められなければそれは『事故によって起きた高次脳機能障害』として自賠責は判断しないのです。(高次脳機能障害そのものを否定していないところがポイントです)

この点で、被害者の思いと自賠責の認定結果に大きな齟齬が生まれているのです。
どう見ても事故前と比べて様子がかわっているのに・・・そうどれだけ訴えたとしても、器質的損傷を立証できなければ自賠責の後遺障害の認定はないのです。
唯一、器質的損傷なしで認定をうけることができるのはむちうちですが、むちうちは器質的損傷の有無、要は画像所見がそれほど大きなポイントとはなりません。大きなポイントは、『症状と事故態様』です。
症状が事故後一貫して認められること、それについて主治医が認識していること、なおかつ物損が10万円程度などの軽微な事故ではないこと、これらがむちうちの場合は重要なポイントとなります。

少し話がズレました。
つまり、高次脳機能障害と言っても、器質的な損傷を立証できなければ、検査等で症状を医師に認識していただいていたとしても自賠責の後遺障害としては認識されないということです。
そのためには、正確に画像を分析し、また器質的損傷を徹底的にあぶり出して立証をしていかなければなりません。
なので、相談会では画像の検証が非常に重要となるのです。
これは、高次脳機能障害に限った話ではなく、むちうち以外では共通に言えることです。
早期に、決定的な器質的損傷を立証しておく、これが非常に大切なことです。
ですので、相談会では画像の持参を推奨させていただいております。

医師が行う医学的な診断(診断名)と、自賠責が認定する事故による後遺障害の判断は、似て非なるものです。
そこに着目する必要があります。
我々後遺障害の立証に携わる人間にとって重要なのは医学的知識ではありません。それなら、医学部の学生の方がはるかにすぐれています。そうではなく、我々にとって知っておかなければならない重要な知識・経験は、自賠責がその傷病について、事故による後遺障害としてどのように判断するのか、そのメカニズムについての知識・経験なのです。
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治療中に被害者が死亡した事案について

事故受傷により治療中で、後遺障害による損害の支払い前に被害者が死亡した場合は、どのように取り扱われるのでしょうか。

受傷と死亡に相当因果関係が認められない場合

脚や腕の骨折で入院中にも心筋梗塞で亡くなったなどのケースです。
このケースでは、死亡の事実は考慮せず、通常の後遺障害事案として取り扱います。
逸失利益の計算では、症状固定日から就労可能年数までを積算し、中間利息を控除します。
生活費の控除は行いません。
後遺障害慰謝料も、規定額が認定されています。
ただし、高次脳機能障害で1級、2級、3級が認定された場合でも、将来の介護料は否定されます。

受傷と死亡の因果関係は認められないが、特段の事情が認められる場合

事故発生時点で、被害者の死亡の原因となる具体的な事由が存在していたケースです。
例えば、被害者が事故発生の時点で現代の医学水準では治癒が不可能なケース、あるいは著しく困難である重篤な疾病に罹患していたとき、または末期癌など疾病が治療時期を逸したケースなどがこれにあたります。

また、当該交通事故発生の時点で被害者の死亡が客観的に予測可能であったケースも特段の事情が認められる場合に該当します。
例えば、医師の診療録などに死期の告知を行った旨の記載が確認できるケース、などがこれにあたります。
これらのケースでは、逸失利益は被害者の月収×労働能力喪失率×症状固定日から死亡日までの月数となります。
将来の支払を含まないことから、中間利息の控除は行いません。
月数に端数が生じるときは切り上げされます。

被害者が死亡した時点で子供、または18歳未満の学生であった場合は、逸失利益は0円となります。
後遺障害慰謝料については、規定額を認定します。

受傷と死亡との間に因果関係が認められる場合

死亡事案として取り扱います。

受傷と死亡との間に因果関係の有無の判断が困難な場合

50%減額後の死亡による損害額と、後遺障害による損害額を比較し、いずれか高い方を認定します。
後遺障害を基礎とする損害計算では、50%減額、生活費の控除はありません。

損害賠償

異議申立の認定率について

異議申立を行って等級が認定される確率は、1割を下回っています。
異議申立が基本的に非常に困難な作業であることは、間違いのない所であり、できうるならば初回申請で等級の認定を受けることが望ましいと言えます。

しかしながら、必要以上に異議申立の認定率の低さを恐れることはありません。
なぜなら、そもそも異議申立を行っても認定されることがまずありえない異議申立の申請が、多数存在していると考えられるからです。
それでは、どのような異議申立が意味のない異議申立なのか、見ていきましょう。

症状の羅列、日常生活状況報告のみの異議申立で、新たな医証がないもの

日常生活で困っていることや症状の辛さについて報告書を作成し、それをもって異議申立をしているケースです。
被害者自身で行う異議申立では、意外にこういう異議申立が多いのではないかと予想するところですが、症状の羅列や日常生活で困っていることをまとめた、いわば『陳述書』のような報告書の提出では、異議申立の意味がありません。

異議申立では、症状について他覚的に立証する医証を添付しなければ意味がないのです。
医証とは、新たな画像所見であったり、新たな医師の診断書であったり、その他さまざまな検査所見を言います。
つまり、被害者とその家族の訴えのみで等級の認定がなされることはない、ということです。
もしそれで認定されるのであれば、文章の上手い人が認定されやすいということになってしまいます。
後遺障害の立証はサイエンスです。医証と症状が整合性をもって立証・説明されなければなりません。

事故態様を無視した異議申立

そもそも、事故の態様によって非該当となっているケースがあります。
具体的には、物損の金額が10万円程度のもの、あるいはかすった程度の軽微な事故、という事故態様です。
これらの場合、どのような医証を添付したとしても、異議申立が認定されることはほとんどありません。
認定される可能性がほとんどないことを理解したうえで異議申立を行う場合は良いですが、基本的に軽微な事故態様の場合は認定されないとの認識が必要です。
事故態様を何も確認せずに、『症状ありき』で異議申立がなされているケースも多いと思われます。
あまり交通事故案件を扱っていない弁護士や行政書士などは、事故態様を無視して突っ走る多々ケースがあります。

治療実績の精査を無視した異議申立

整骨院や接骨院に偏重した治療実績や、そもそも病院にほとんど通院していないもの、などは異議申立を行っても認定されることはありません。
通院実績を無視した異議申立は、ほとんど成功しないと理解しておく必要があります。

まとめ

このように、そもそも認定される見込みがほとんどない異議申立もかなり存在していると考えられるのです。
ですので、異議申立の認定率の低さをもって戦々恐々とする必要はありません。
要件が整っている異議申立であれば、それは数多く認定されていますし、その実績も多数我々にはあります。
認定率よりも、『異議申立は客観的な証明・説明が不可欠』ということを重視すべきなのです。

交通事故の二次被害への対処について

交通事故自体が一次被害とすれば、二次被害というものが存在します。
その二次被害とは何でしょうか?
二次被害とは、交通事故の被害者が、
・症状が残存しているのにもかかわらずその症状が後遺障害として認定されないもの
・後遺障害が認定されたにもかかわらず、賠償交渉で失敗して妥当な損害賠償を受けることができなかったもの

主にはこの二つが二次被害として挙げられます。
その原因となるのは、
・インターネット上の誤った情報
・力量のない弁護士
・力量のない行政書士
・後遺障害に理解のない医師
・整骨院、接骨院への通院
・知識不足
などが挙げられます。

つまり、事故に遭って、その対処(特に、初動対応)に失敗したために、理想的な交通事故の解決からかけ離れた解決となってしまうことを二次被害と我々は呼んでいます。

何を考え、何に気を付ければいいのか?

そうはいっても、被害者からしてみれば、何が正しく、何が間違っているのか、その判断すら難しいのが現状です。
なぜなら、ほとんどの被害者にとって、交通事故の遭うことなど初めての事だからです。
そして、どのように対処していけばいいのか、どの専門家の言っていることが正しいのか、それらを判断する指針すら持ち得ていないのです。

後遺障害の認定についての答えは、実はすべて『後遺障害の認定要件』に記載されています。
この要件を専門家がいかに理解しているか、これが専門家を見極めるポイントになります。
要件を顧みず、検査、画像、医証に突飛している専門家は、私からすれば非常に危険な専門家であると言わざるを得ません。
我々は、『医療に携わる人間』ではありません。
被害者の症状(後遺症)が、いかに賠償の対象となる症状(後遺障害)として認定されるようにするか、を追求する専門家です。
後遺症が後遺障害として認定されるためには、当然に自賠責のルールの下で立証・サポートの活動をしなければなりません。
つまり、自賠責のルール(認定要件)をいかに忠実に理解しているか、そのルールの考え方に則っているか、が私は優れた専門家であると思っています。

極端なことを言えば、医大生が被害者の対応をすればすべてうまくいくのか?
そんなことはありません。
医学的な知識は、我々よりもはるかに上です。しかしながら、自賠責のルールを理解していないところで動き回っても、被害者の徒労となるだけなのです。
一例を挙げるとすると、
『ほとんどキズもない、コツンと当たった軽微な追突事故』
これでは、被害者の症状をどれだけ医学的に追求しても無駄なのです。
この場合は、『後遺障害として認定されることはほとんどありません』とご説明すべきなのです。

私は、『自賠責調査事務所の手助けをさせていただいている』という心構えで被害者様への対応をさせていただいています。
なぜなら、調査事務所は被害者一人一人と面談をして等級認定をすることが物理的に不可能であるからです。
しかし、私は被害者様一人一人とお会いしたうえで、自賠責のルール下での後遺障害の認定が可能であるか、的確に判断することができます。
むちうちの場合、最大の認定要件は『被害者の訴える症状の真実性の有無と、事故を原因と推定できる一定の根拠の有無』です。
上記のような著しく軽微な事故では、被害者の訴える症状がありそれが画像によっても一定程度推定できたとしても、『事故によってなった』とはとても判断がなされないのです。

しかし、被害者の症状だけを見て、『後遺障害が認定される可能性はある』とか、骨癒合や骨折の形状を見ずに可動域だけを見て、『可動域が~°なので~級が認定されます』などと説明をしている専門家はたくさんいるのが現状なのです。
私は、それを二次被害と呼んでいます。
二次被害を少しでも減らすために、被害者様に対してだけでなく、弁護士や行政書士に対しても勉強会やセミナーで様々な啓発をしていきたいと思っています。
交通事故のご相談はお早めに!

任意一括の対応について

任意一括の対応とは?

日本で発生した交通事故の約8割が、『任意一括』で処理されています。
任意一括とはどういう仕組みなのでしょうか。
ここでは、加害者、被害者の双方が自賠責保険及び任意保険に加入していることを前提に話を進めます。

交通事故の発生から解決まで

信号停車中に追突され、被害者はむち打ちになった、という事案を例にします。
過失割合は100対0となります。
こうなると、被害者が加入している任意保険会社の出番はありません。
被害者本人に過失が無い、つまり賠償義務が無い、すなわち保険会社の支払い義務もない、からです。
このケースの登場人物は、加害者が加入している任意保険会社と被害者本人ということになります。
被害者は首が痛いので通院を開始しますが、その治療費は多くの場合、加害者側の保険会社が負担しますので、被害者の窓口負担はありません。

その後、保険会社から定期的に具合を尋ねる連絡が入りますが、むち打ちであれば3~4ヶ月くらいで治療費打ち切りの話が出始めます。
しかし、被害者は痛みが治まらないため、通院を継続したい旨を訴え、保険会社も渋々それを受け入れます。
そんなこんなで事故から6ヶ月が過ぎる頃、保険会社は強めに治療費の打ち切りを打診してきます。
と同時に、後遺障害の申請を提案してきます。
「手続きは全てこちらで行いますので、お手間はかかりません。」と話を進めます。
被害者がその提案を受け入れると、1~3ヶ月くらいで後遺障害申請の結果が出て、最終的な示談の提案があります。
その提案を被害者が承諾し、賠償金を受け取ると、この交通事故は法的に終結します。

この一連の流れを『任意一括』と言います。
自賠責の賠償金と、自賠責基準を超える部分を任意保険会社が一括で支払う、という意味です。
任意一括払いだと、被害者としては医療機関の窓口負担も手間も省けるという面はありますが、傷害部分の通院慰謝料や後遺障害部分の損害賠償金(認定された場合)を相手側に握られたまま賠償交渉をすることになるため、金銭的に余裕が無い被害者は示談を急ぐ余り、妥協してハンコを押してしまうということも少なくないようです。

また、任意一括では自賠責調査事務所へ提出する医証について、自ら揃えて立証をすることができません。
つまり、納得のいく医証の提出がそもそも困難なのです。
後遺障害の認定は、提出された医証をもとに行われます。『この検査所見が足りないので、追加で~の検査を受けてきてください』このような指示はまったくなされません。
つまり、十分な医証が揃えられない可能性が非常に高いのです。
高次脳機能障害などは特にそれが顕著です。

後遺障害の手続きでは、必ず被害者請求で十分な医証を自ら揃え提出する必要があるのです。
そしてその医証は、自賠責の範疇にとどまらず、その後の裁判にも影響を及ぼすこととなります。つまり、交通事故解決においては『医証(医学的な証拠)』をどれだけ収集できるかがキーポイントなのです。
しかしながら任意一括では、残念ながら医証を揃えることについて不十分だと言わざるを得ません。
そうならないためには、全てを相手に任せてしまう『任意一括』ではなく、被害者が自ら立証する、『被害者請求』を行う必要があります。

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整骨院・接骨院への通院について

交通事故と整骨院・接骨院

無料相談会や電話相談において、以下の質問を受けることが多々あります。
「勤務時間の関係で整形外科に通院することが難しいので整骨院に通っていますが、問題ありませんか?」
実際に、多くの被害者の方が整骨院に通っておられます。整形外科は午後7時ごろには閉まりますが、整骨院は夜遅くまで開いているところもありますので、少しでも症状を和らげるため、藁にもすがる思いで整骨院に通っておられるのだと思います。
これは非常に難しい問題です。立場が違えば答えが異なります。
ここでは、「お金」という観点から考えてみます。

傷害部分と整骨院・接骨院

まず、交通事故による損害は、傷害部分と後遺障害部分に分かれます。傷害部分は、自賠責では120万円の枠があります。この枠の内訳は、治療費、施術費、通院慰謝料、通院交通費、休業損害等です。
交通事故で負った傷害に対する治療、施術は基本的に自由診療となりますので、健康保険を使った場合と比べると高額になりがちです。毎日のように整骨院に通っておられる方の施術費用明細書を見てみると、施術費用が月額10万円近いものもあります。
整形外科の治療費、通院交通費、通院慰謝料、休業損害等まで考慮すると、6ヶ月を待たずに120万円の枠を消化することになります。傷害部分の120万円は自賠責から支払われますが、それを1円でも超えると相手方任意保険会社の手出しとなりますので、ある時を境に急に対応が変わります。保険会社は120万円の枠を超えないように逆算し、事故から3ヶ月、4ヶ月で治療費の打ち切りを打診してくるでしょう。
打ち切りと同時に後遺障害の申請についても情報を提供してくれるでしょうが、原則として6ヶ月以上の治療実績が無ければ後遺障害は認められません。そのことを保険会社は重々承知しているのです。もちろん、2~3ヶ月で完治すれば何も問題はありませんが、後遺障害の申請が視野に入ってくると話は別です。

では次に、その後遺障害の申請について検討してみます。
治療、施術の効果で怪我が完治すれば、それが一番です。しかし、最悪の事態を想定しておかなければ、損をするのは被害者本人です。
最悪の事態というのは、6ヶ月以上治療を継続したにもかかわらず症状が緩解しなかった、つまり後遺障害が残存してしまった場合のことを指します。

整骨院の施術証明書を添付して後遺障害の申請をしたとしても、実際に審査を行う自賠責損害調査事務所では整骨院の通院日数は治療実績としてカウントしないようです。整骨院で実施されるのはあくまでも『施術』であり、『治療』ではないからです。それだけではなく、審査の段階で整骨院の施術証明書を隅々まで読み込み、「症状は徐々に緩和している」という文言を探します。
仮にむち打ち(外傷性頚部症候群)で14級が見込まれる場合、その後遺障害認定要件の一つは「症状の訴えが初診時から終診時まで一貫していること」ですが、「症状は徐々に緩和している」という文言は前述の認定要件と矛盾することになり、この文言を引用され、非該当という結果につながってしまうのです。
治療実績としてカウントされないのに、非該当の理由としては採用されるという、なんとも腑に落ちない事態が実際に起こっています。
そして、非該当と14級とでは最終的に受け取る示談金に大きな差がありますので、被害者は辛い思いと低い賠償金のダブルパンチを食らうということになりかねません。

まとめ

結論としては、傷害部分についても後遺障害部分についても、整骨院の通院歴は不利になると言わざるを得ません。
整骨院にとって交通事故の被害者は「上客」です。
多くの整骨院において、看板やノボリに「交通事故対応」「自賠責対応」と書かれています。
通えば親身になって話を聞いてくれるでしょうし、熱心にアドバイスもしてくれるでしょう。
しかし、物事は大局的に考えなければなりません。
本当に整骨院の通院が必要なのか、よくよくご検討下さい。

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治療費と過失割合についての考察

治療費は加害者が負担する、というのが原則です。
しかしながら、治療費も損害賠償額の大きな部分を構成しています。
治療費を含む総損害額が120万円未満、つまり自賠責保険の範囲内にとどまれば、被害者は過失相殺が行われることなく、治療費は加害者が負担する、という原則が成立します。
しかし、入院を伴う重傷事故では、120万円を超えることは非常に可能性の高いことであり、自賠法の無過失責任主義は適用されず民法709条の過失責任主義での損害賠償が適用されることになります。
つまり、治療費を含む総損害額から被害者の過失分が差し引かれることとなります。
過失割合が20:80とし、治療費が200万円、休業損害・慰謝料が250万円をモデルとして、以下のケースについてそれぞれ見ていきます。

自由診療のケース

450万円×80%=360万円が損害賠償額全額となります。
ここから治療費を支払うと、360万円-200万円=160万円が被害者の手元に残る損害額となります。
過失割合は20:80でも被害者の手元に残る損害額は64%なので、実質的には36%がカットされたことになります。

健康保険のケース

自由診療で200万円の治療費は、健康保険の適用で100万円ほどに低下します。
さらに、被害者の負担分は30%の30万円となります。
(30万円+250万円)×80%=224万円が総損害額であり、治療費を支払うと194万円が被害者の手元に残る損害額となります。
自由診療では160万円でしたが、健康保険を適用すると194万円となります。
被害者の取り分は78%ですから、22%が過失相殺でカットされたことになります。
残りの治療費70万円は健康保険組合が保険会社に請求し、保険会社は20%の14万円を過失相殺して56万円を支払います。

労災保険を適用したケース

治療費は治療先から労働基準監督署に一括請求されます。
労災保険では治療費の一部負担が被害者にはありません。
250万円×80%=200万円が被害者に支払われ、20%の過失相殺で済みます。
治療費は労働基準監督署が保険会社に請求し、20%が過失相殺されて支払われます。

まとめ

自由診療では160万円、健康保険適用では194万円、労災保険適用では200万円となります。
被害者の過失割合が20%でも、実際に差し引かれる割合は20%以上となるのです。
仮に被害者過失が50%となれば、健康保険の適用で110万円、労災保険の適用では125万円して被害者の手元に残らず、過失割合が大きいため仕方がないとはいえ、大変深刻な状況となります。
したがいまして、過失割合が高い事案では、健康保険の適用、労災保険の適用は避けることができないのです。

損害賠償

治療と治療費について

被害者様が初めてご相談にいらしたときに、「治療と治療費」の観点からはどのようなことに当事務所では着目させていただいているのでしょうか。

・人身事故で通院しているのに、物件事故として処理されていないか?
・診断書を警察に提出、人身事故の届出を完了しているか?

物損・・・メモと交通事故証明書の発行
人身・・・実況見分記録、交通事故現場見取り図→検察庁→自動車運転過失傷害罪
物損事故で人身→自賠責保険の範囲内で対応
全治15日未満の診断書→軽微な人身事故として不起訴処分

・入院の治療費について、健康保険もしくは労災保険、公務災害の適用としたか?

入院→過失割合に関係なく、健保もしくは労災保険の適用が原則
入院なしの通院事案→自由診療
人身傷害保険の適用であっても、通院事案では自由診療を選択

・手続きは保険会社が対応しているか?

治療先が不快に感じる公的保険の適用では被害者が前面に立たないこと
労災・公災では、休業給付金および休業特別支給金が社保、組合健保では傷病手当金が請求すれば支払われること
休業特別支給金は制度上の恩典であり、損益相殺の対象とはならないこと

・これらの手続きを法律事務所で対応しているか?

健保・労災・公災は届出制であり、審査はなされるものの認可制ではない
勤務先の許可は不要である
今後の再発にも対応できること
再発申請の受理で治療費、休業損害、さらなる後遺障害にも対応できること
公務災害は動きが遅く、フォローが必要なこと

・請求できないもの

ムチウチの通院でタクシー使用
個室の使用
温泉療養

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